韓国、検察の補充捜査を廃止…起訴期限切れや容疑者釈放に懸念
このニュースをシェア
【08月04日 KOREA WAVE】韓国で、検察官による直接の補充捜査を廃止する刑事訴訟法改正案が国会を通過した。勾留期限や公訴時効が迫った事件でも、検察官は警察に補充捜査を求めるほかなく、起訴の適切な時期を逃すケースが相次ぐ可能性があるとの懸念が出ている。
国会は7月31日の本会議で、与党「共に民主党」が主導した刑事訴訟法改正案を可決した。
改正案によると、検察官は送致された事件について起訴するか判断するため、司法警察官に補充捜査を求めることができる。司法警察官は原則として1カ月以内に捜査を終え、結果を検察官へ送らなければならない。
しかし、容疑者が勾留されている事件では、警察の補充捜査が遅れれば、検察官が起訴を準備する時間が不足するとの指摘がある。
検察官は勾留中の容疑者を引き渡されてから10日以内、延長しても最長20日以内に起訴するか決めなければならない。期限内に決定できなければ、容疑者を釈放する必要がある。
現行法では、この期間に検察官が容疑者を直接取り調べ、補充捜査を進めることができる。改正法の施行後は、警察や重大犯罪捜査庁に補充捜査を求めることしかできなくなる。
改正案には、緊急時に検察官が1カ月より短い補充捜査期限を設定できる規定も盛り込まれた。勾留期限が迫った事件では、24時間以内の対応を求めることも可能だ。
ただ、捜査機関の間で記録をやり取りするだけでも時間がかかり、補充捜査が不十分だった場合、それを補う余裕がないとの懸念が出ている。
現職の検察官は「容疑者や参考人が多い組織的な賃貸保証金詐欺などでは、勾留期間内に補充捜査を終えるのがさらに難しい」と指摘。「証拠が不足したまま無理に起訴すれば、無罪となる割合が高まる」と話した。
公訴時効が迫った事件への懸念もある。時効直前に送致される事件は多くないものの、起訴に支障が生じる可能性は排除できないという。
現行制度では、検察官が直接補充捜査を進めて起訴できる。水原地検安養支庁のキム・ソンテ検事は1月、公訴時効が残り3日となった財産国外逃避事件を担当し、資金の流れを分析するなどして、時効成立の前日に容疑者を在宅起訴した。
改正法が施行されれば、検察官は警察へ補充捜査を求め、結果を待たなければならない。公訴時効が6カ月と短い選挙犯罪や、捜査が長期化しやすい詐欺、横領事件では、期限を過ぎる危険があるとの声が出ている。
検察改革推進団の元諮問委員、ヤン・ホンソク弁護士は「警察が重大犯罪と判断して捜査しても、検察官が軽い犯罪に当たると判断すれば、公訴時効が突然短くなる可能性がある」と説明した。その上で「緊急の補充捜査が一部しか実施されなかったり、不十分だったりすれば、期限に追われて不十分なまま起訴するか、容疑者を釈放する事態が起こり得る」と指摘した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News