映画「そう言ったでしょ」の一場面(c)news1
映画「そう言ったでしょ」の一場面(c)news1

【08月04日 KOREA WAVE】韓国で記録的な猛暑が続いている。慶尚南道梁山では7月31日、最高気温41.4度を記録し、7月29日から3日連続で40度を超えた。

盆地地形に加え、西風が山を越えて高温になるフェーン現象、チベット高気圧と太平洋高気圧が朝鮮半島を二重に覆ったことが原因とされる。都市を覆うコンクリートやエアコンの室外機から出る人工排熱も暑さを強めた。

猛暑の影響は、屋外で働く配達員や建設・農業従事者、熱がこもりやすい狭小住宅の住民、電気代を気にして冷房を使いにくい低所得層など、社会的に弱い立場の人から深刻化する。高齢者や乳幼児、心臓・呼吸器疾患のある人にとっては、夜も気温が下がらない熱帯夜も大きな負担となる。

こうした現実と重なるのが、イタリアのジネヴラ・エルカン監督による映画「そう言ったでしょ」だ。舞台はクリスマス飾りが残る1月のローマ。気温は30度、40度と上がり、ついには50度に達する。

映画は異常気象の原因を説明するのではなく、暑さを登場人物の不安や執着、依存を表面化させる圧力として描く。宗教や過去の名声、整形、酒、薬物などにとらわれた人々は、気温が上がるほど判断力を失い、壊れかけていた関係も崩れていく。

作品の題名は、危険を警告していた側の勝利宣言である一方、すべてが手遅れになった後で責任を押しつけ合う言葉にも聞こえる。

映画に登場する「1月に50度」は予報ではない。しかし、季節の境界が曖昧になり、猛暑が早く始まり、長期化する感覚は現実と重なる。

西ヨーロッパでは2026年5月下旬、平年より10度以上高い地域が相次ぎ、6月は観測史上最も暑い6月となった。世界保健機関は欧州の猛暑を、まれな異常気象ではなく、繰り返される公衆衛生上の危機と位置付けている。

現実の気温は突然50度になるのではない。最高記録を少しずつ押し上げ、40度台の日数を増やし、猛暑の開始時期を早めていく。梁山の41.4度は、その変化がすでに進んでいることを示している。

温室効果ガスの削減や、屋外労働者、高齢者、住居環境の弱い人を守る必要性は、以前から指摘されてきた。記録更新のたびに同じ警告を繰り返さないためには、40度超の猛暑が日常になる前に社会の対応を変える必要がある。【news1 ファン・ドクヒョン記者(気候環境専門)】

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News