若者がSNSで向精神薬などの医療用麻薬を購入した際のやり取り=銅雀警察(c)MONEYTODAY
若者がSNSで向精神薬などの医療用麻薬を購入した際のやり取り=銅雀警察(c)MONEYTODAY

【08月01日 KOREA WAVE】「娘が自殺を図りました。部屋に薬がたくさんあり、泡を吹いて倒れています。助けてください」

2025年5月20日、ソウル銅雀警察の学校専任警察官に、17歳の女子高校生の母親から緊急の電話がかかってきた。警察は2カ月前から、女子高校生の薬物使用について相談を受けていた。

警察官らが自宅へ駆け付けると、女子高校生は睡眠導入剤などの向精神薬を数十錠服用し、体には自傷の痕もあった。警察はさらなる危険があると判断し、緊急入院の措置を取った。

女子高校生はその5日前、SNSで知り合った販売者から医療用麻薬を購入していた。販売者は特定の薬50錠を3万ウォン(約3300円)で売ると持ちかけ、商品はコンビニの宅配便で届けられた。中古品を売買するように、短いやり取りだけで薬物が手元に渡った。

違法薬物を初めて使用したのは約6カ月前だった。うつ病を患っていた女子高校生は、SNSで医療用麻薬を簡単に入手できると知って以降、薬物使用と自傷を繰り返した。精神科にも入院したが、状態はなかなか改善しなかった。

家族は、芸術系の特別目的高校への進学に失敗したことが心理的な打撃になったと説明した。事件前日には通っていた高校を退学していた。学校側はうつ病を把握していたものの、薬物の過剰摂取や自傷までは認識していなかった。

事件は刑事部門に引き継がれ、女子高校生は麻薬類管理法違反の疑いで立件された。一方、学校専任警察官らは、処罰の対象ではなく「支援が必要な若者」として接した。

警察は3カ月間の保護入院治療を支援し、青少年相談福祉センターとも連携した。担当警察官は週1~2回電話で状態を確認し、1~2カ月に1回は自宅を訪れて相談を続けた。両親を交えたグループチャットでも継続的に連絡を取った。

捜査では、治療と学校復帰の機会を得られるよう寛大な処分を求める嘆願書を提出した。その結果、事件は起訴猶予となった。

高校を退学した女子高校生は現在、学校へ戻り、少しずつ日常を取り戻している。

学校専任警察官の責任者は「うつ病を抱え、SNSで医療用麻薬にさらされる若者が増えている。苦しい時は隠さず、信頼できる大人や警察に助けを求めてほしい。諦めかけた生徒も、周囲の大人が関心を持ち続け、治療と相談を重ねれば十分に回復できる」と強調した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News