サッカー選手ハリー・ケインのゴールパフォーマンスを披露する人型ロボット「アトラス」(c)NEWSIS
サッカー選手ハリー・ケインのゴールパフォーマンスを披露する人型ロボット「アトラス」(c)NEWSIS

【08月01日 KOREA WAVE】世界の製造業で人工知能(AI)を搭載した人型ロボットの量産競争が本格化する中、韓国の現代自動車グループが大規模投資を通じてロボット事業の主導権確保を目指している。

現代自動車グループは2028年までに年間3万台規模のロボット生産体制を構築する計画だ。このうち約83%に当たる2万5000台を、現代自動車と起亜の完成車工場へ優先的に投入する。

導入予定のロボットは、系列会社ボストン・ダイナミクスが開発した人型ロボット「アトラス」だ。身長189センチ、重さ90キロの量産型で、人に近い動きを再現し、工場などの産業現場での活用を想定している。

4足歩行ロボット「スポット」は、グーグルの生成AI「Gemini」を搭載し、産業現場の安全点検や巡回に使われる。アトラスとスポットは2026年北中米ワールドカップの会場で高度な動作を披露し、屋外環境での性能を示した。

現代自動車グループは、ソフトバンクが保有していたボストン・ダイナミクスの残りの株式を取得し、完全子会社化した。外部株主に伴う不確実性が解消され、迅速な意思決定と大規模投資が可能になるとみられている。

アトラスは2028年から米国の電気自動車工場「メタプラント・アメリカ」で安全性の検証を段階的に進め、2030年から組み立て工程全般へ活用範囲を広げる。

現代モービスは米国でアクチュエーターなどの主要部品を年間35万個生産し、現代グロービスは物流の自動化と供給網の最適化を担う。

外部企業との連携も進める。グーグル・ディープマインドとのAI協力に加え、エヌビディアの「Omniverse」と「Cosmos」を基盤に、デジタルツインやソフトウエア定義工場の構築を推進している。

現代自動車グループは、112万4000平方メートルの敷地に総額9兆ウォン(約9900億円)を投じる大型プロジェクトも進める。AIデータセンターに5兆8000億ウォン(約6380億円)、ロボット製造・部品クラスターに4000億ウォン(約440億円)を投資する。

5万基の画像処理半導体を備えるAIデータセンターは、ソフトウエア定義車両やスマート工場に加え、ロボット制御の中枢を担う見通しだ。

世界の人型ロボット市場では、テスラの「オプティマス」や中国のユニツリーなどが量産競争を加速している。ゴールドマン・サックスは、2035年の市場規模を380億ドル(約5兆6000億円)と予測している。

KB証券のカン・ソンジン研究員は、2028年から労働人口の減少に伴い人型ロボットの需要が本格的に増え、現代自動車グループが2035年に産業用人型ロボット市場で60%のシェアを占める首位企業になる可能性があると分析した。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News