北朝鮮・咸興の「2月11日工場」北側に建設された施設の変化を捉えた衛星写真。上は2025年10月26日、下は2026年5月29日の撮影=NK PRO(c)news1
北朝鮮・咸興の「2月11日工場」北側に建設された施設の変化を捉えた衛星写真。上は2025年10月26日、下は2026年5月29日の撮影=NK PRO(c)news1

【08月01日 KOREA WAVE】北朝鮮がロシアに供給する「火星11」系列の短距離弾道ミサイルの主要生産拠点に新たな施設を建設し、土で覆って隠した形跡が衛星写真で確認された。核施設などで使ってきた防護手法をミサイル生産施設にも適用し、外部への情報流出防止や空爆への備えを強化したとの分析が出ている。

北朝鮮専門メディア「NKニュース」は30日、衛星写真を分析した結果、咸鏡南道咸興の竜城機械連合所傘下にある「2月11日工場」北側の谷に新たな生産施設が建設され、その後、地下化されたと報じた。

同工場は、2023年末からロシアに供給され、ウクライナ侵攻で使われたとされる「火星11」系列の短距離弾道ミサイルの主要生産施設と推定されている。キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が2026年6月に現地視察した際の写真から、長距離ミサイル用の発射体や一部の衛星打ち上げロケットも生産しているとみられている。

衛星画像によると、工場北側の谷付近には2025年末から2026年2月にかけて、長さ約65メートル、幅35メートル、2~3階建ての建物が新設された。

建物は北朝鮮の兵器工場に多い生産・組み立て施設と似た構造で、外側には事務所や倉庫とみられる空間があり、中央には広い作業スペースが設けられていた。

しかし北朝鮮は、完成直後の2026年3~5月に建物全体を土で覆い、衛星写真では土が周辺の山肌とつながって見えるようにした。

NKニュースは、先に構造物を造ってから土をかぶせる「開削工法」と分析した。完全な地下トンネルほどの防護力はないものの、空爆や爆発の衝撃から施設を守り、外部からの監視を難しくする効果を狙った措置とみられる。施設内でミサイルが爆発した場合、被害が周囲に広がるのを抑える効果もあるという。

新施設の正確な用途は確認されていない。ただ、人里離れた谷に建設され、完成後すぐに埋められたことから、単なる堤防工事ではなく、重要な生産施設を守るための安全措置である可能性が高いと分析された。

衛星写真では、工場内のほかの変化も確認された。西側出入り口近くでは、2025年5月に着工した新築建物がほぼ完成していた。キム総書記ら最高指導者の業績をたたえる工場歴史館の可能性があり、近くにはキム・イルソン(金日成)主席とキム・ジョンイル(金正日)総書記に関する展示施設も設けられたとみられている。

2025年8月に工場西側で着工した長さ330メートル、幅50メートルの大型建物は、同年11月以降、工事が中断していると分析された。

この建物は既存施設3棟を撤去した後に建設が始まり、内部構造から大型ミサイルの組み立てや検査施設と推定されている。ロシア向けミサイルの生産拡大や北朝鮮の備蓄増加、第三国への輸出拡大を視野に入れた施設である可能性も指摘された。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News