【7月30日 AFP】スペインでは29日、大規模な森林火災で避難していた千人以上の住民が帰宅を果たした。一方、新たな熱波に襲われたフランスでは消防隊が激しい炎との闘いを続けている。

両国はこの1週間、最悪レベルの森林火災に見舞われており、広大な地域が焼失して数万人が避難を余儀なくされている。

スペイン当局は29日、首都マドリード近郊とアビラ県で避難指示が出されていた最後の二つの町の避難解除を完了した。無事だった自宅に戻れた人がいる一方で、悲惨な光景を目にするだけとなった人もいた。

マドリードの西に位置するアルデアデルフレスノのカフェでは、70代の女性が「うれしい。早く家に帰ってコーヒーを飲んで朝食をとりたかったから」と喜んだ。

しかし、そこから約10キロほど離れたペラヨスデラプレサでは、ダビド・ロドリゲスさんが焼けた自宅の残骸を壊していた。

ロドリゲスさんは取材に対し、「壊滅的だ。ここに私の思い出や持ち物のすべてがあった。父が40年前に建てた家だが、全部無くなってしまった」と答えた。

政府当局者は29日、夜間の天候が改善したことで消火活動が進み、火災が鎮静化したと発表した。ペドロ・サンチェス首相は、残るすべての火災を消し止めるための闘いにおいて、これからの数時間が「決定づけるものになる」と述べた。

一方、フランスのジロンド県では、2夜連続で静かな夜を迎え、今夏4度目の猛暑で気温が急上昇したにもかかわらず、火災の拡大が抑えられているとの報告があった。

同県の高官は「今夜を無事に乗り切ることができれば、あす以降の見通しについてある程度楽観的に捉えることができるだろう」と話した。

一方、フランスの地中海沿岸、マルセイユとニースの間に位置する南東部バール県では、新たな火災が発生し、600人以上が避難を余儀なくされた。

また、当局によると、東部ブルゴーニュ地方のディジョン近郊でも森林火災が発生し、125ヘクタールが焼失したが、負傷者や住宅への被害は出ていないという。

現在は欧州西部に関心が集まっているものの、欧州連合(EU)は今週、火災が発生しやすい気象条件が今後数日間で中欧に広がると警告した。

ギリシャのパロス島ではすでに当局が火災の消火にあたっている。クレタ島での消火活動中に消防士2名が死亡したほか、ペロポネソス半島のギティオ港付近でも3人目となる消防士1人の死亡が確認された。

トルコの火災では、南部のビーチ周辺で数百人が避難を余儀なくされており、数百人規模の消防隊が消火活動を続けている。(c)AFP