【7月31日 東方新報】夜明け前から開館を待つファンが列を作り、開門と同時に一斉に駆け出す――。7月16日、北京動物園(Beijing Zoo)のジャイアントパンダ新館が一般公開され、多くの来園者が愛らしいパンダたちに会いに訪れた。

現在、「萌蘭(モンラン、Meng Lan)」「白天(バイティエン、Bai Tian)」「吉年(ジーニエン、Ji Nian)」「福将(フージアン、Fu Jian)」「福星(フーシン、Fu Xing)」の5頭が新居へ移り、順調に新しい環境へ適応しているという。

◾️四川の自然を再現した新館

今年、開園120周年を迎えた北京動物園では、1955年に四川省(Sichuan)から贈られた3頭のジャイアントパンダが初めて一般公開され、中国におけるパンダ保護と展示の歴史が始まった。

新館は既存施設の東側に増築され、屋内展示場4か所、屋外運動場5か所を整備。敷地面積は約1万3000平方メートルで、四川省・臥龍などの自然環境を再現した4つのテーマエリアが設けられている。公開初日には「萌蘭」が木製ベンチでくつろぎながら食事を楽しむ姿を見せ、新居にもすっかり慣れた様子だった。

また、成都ジャイアントパンダ繁育研究基地でも施設の拡張が進み、多方向からパンダを観察できる見学エリアが新設された。2023年に日本から帰国した「シャンシャン」のためには、立ったり寝転んだりできる専用輸送ケージも特別に製作された。

◾️性格に合わせた工夫

活発な性格で知られる「萌蘭」は、2021年に囲いを乗り越えて脱走したことで大きな話題となった。

そのため新館では、壁やガラスフェンスを滑らかな素材にして足掛かりをなくす一方、高い場所を好む習性に配慮して樹木は残し、脱走の足場になりそうな枝だけを剪定するなど、細かな工夫が施されている。

河北省(Hebei)秦皇島森林野生動物園では、四川から来たパンダのために故郷と同じ竹を取り寄せ、食事も現地と同じレシピで用意している。また、日本から帰国した和歌山「浜ファミリー」の4頭は、日本人飼育員が世話を続けながら、中国人飼育員や四川方言に少しずつ慣れるようサポートを受けている。

◾️AIがパンダを見守る時代へ

新館では「獣舎スマート管理システム」を導入し、ミスト設備などによってパンダに適した環境を自動で維持している。

さらに2024年には、中国ジャイアントパンダ保護研究センターなどの支援を受け、世界初となるジャイアントパンダの行動認識AIシステムが開発された。食事や睡眠、水飲みなどの行動を自動で識別・記録し、認識精度は80%を超えることから、「AIパンダ飼育員」とも呼ばれている。

四川省のジャイアントパンダ国家公園では、衛星やドローン、地上センサーを組み合わせた監視システムによって、野生パンダの生息状況を24時間体制で見守っている。(c)東方新報/AFPBB News