SKグループのチェ・テウォン(崔泰源)会長(c)MONEYTODAY
SKグループのチェ・テウォン(崔泰源)会長(c)MONEYTODAY

【07月27日 KOREA WAVE】韓国SKグループで、半導体用シリコンウエハー大手SKシルトロンの売却を巡る判断が注目されている。チェ・テウォン(崔泰源)会長がアートセンター・ナビのノ・ソヨン(盧素英)館長への財産分与として9440億ウォン(約1020億円)の支払いを命じられたことで、大規模な資金確保が課題となる一方、売却はグループが掲げる人工知能(AI)重視戦略と矛盾する可能性があるためだ。

韓国財界によると、SKは31日に取締役会を開き、SKシルトロン売却案を協議する見通し。SKは同社株式51%を保有する筆頭株主で、総収益スワップ(TRS)契約分19.6%を合わせた70.6%の売却が進められてきた。優先交渉権者には2025年12月に斗山グループが選定されたという。

当初は2026年上半期中の売却完了が予想されていたが、交渉は長期化している。SKグループの事業再編がおおむね終了段階に入ったことに加え、AI向け半導体市場の拡大を背景に、半導体材料であるシリコンウエハーを製造するSKシルトロンを手放すことへの慎重論が社内でも出ていたとされる。

一方で、チェ・テウォン会長が保有する主要資産はSK株式とSKシルトロン株式で、SK株の売却や担保設定を拡大すれば、グループの支配構造や経営権に影響を及ぼす可能性があるとの見方が出ている。

SKグループはSKハイニックスを中心に、SKテレコムやSKイノベーションなどを含めた「AIフルスタック」戦略を推進している。米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)らとの協力を進めるほか、AIサミットの開催やAIデータセンター建設など、AI分野への投資を拡大してきた。

チェ・テウォン会長も今後5年間でメモリー半導体の生産能力を2倍に引き上げる方針や、AI半導体市場の需要拡大見通しを示すなど、AI重視の姿勢を繰り返し打ち出している。

業界関係者は「チェ・テウォン会長を巡る状況の変化がSKシルトロン売却にどのような影響を及ぼすのか注目される。AIのバリューチェーン構築を目指すSKグループにとって難しい判断となる」との見方を示した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News