韓国で熱を帯びる「野良猫の殺処分・給餌禁止」巡る議論…科学的根拠に基づく集中的TNRの重要性
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【07月27日 KOREA WAVE】韓国で野良猫への餌やり禁止や殺処分を求める声がインターネット上で広がり、国民請願も登場する中、獣医師のナ・ウンシク氏が「嫌悪ではなく、客観的な事実に基づいて議論すべきだ」と訴えた。
ナ・ウンシク氏は、登録者約22万人のユーチューブチャンネル「ニャンシンTV」を運営し、教育放送EBSの番組で猫の問題行動を改善する専門家としても活動している。
ナ・ウンシク氏によると、野良猫を捕獲して不妊・去勢手術を施し、元の場所に戻す「TNR」について「効果がない」とする主張は正確ではない。
TNRの効果を判断するには、実施の有無だけでなく、一定地域で十分な手術率を達成したか、事業を継続したかを確認する必要があるという。国内外の研究でも、一定水準以上の手術率を維持した地域では、野良猫の個体数減少や繁殖抑制の効果が確認されていると説明した。
一部の猫だけを散発的に手術しても個体数の減少は期待しにくく、地域ごとの集中的なTNRと個体管理を並行して進める必要があるとした。
「餌を与えられた猫はネズミを捕らず、鳥だけを襲う」との主張にも疑問を示した。猫は満腹でも動くものに反応することがあるが、狩猟本能がネズミには働かず、鳥だけに選択的に現れるとする根拠はないという。
野生鳥類の減少についても、生息地の破壊や開発、ガラス窓への衝突、交通事故、餌不足、ほかの捕食動物など複数の要因が絡んでおり、特定の動物だけを原因とみなすのは適切ではないと指摘した。
また、特定地域の猫を殺処分しても、餌や隠れ場所が残っていれば、周辺から不妊・去勢手術を受けていない猫が流入する可能性がある。短期的に個体数が減っても、繁殖可能な猫が空いた地域に入り込み、問題が繰り返されるという。
餌やりの全面禁止も、実効性が低い可能性がある。餌やりがなくなるのではなく人目を避けて続けられれば、個体数や手術の有無を把握しにくくなり、TNR事業にも支障が出る。放置された残飯によって悪臭や虫、ネズミなど別の衛生問題が生じる恐れもある。
ナ・ウンシク氏は、餌やりを一律に禁じるのではなく、決められた場所で適量を与え、残った餌を回収するなど、給餌所を体系的に管理すべきだと主張した。
絶滅危惧種を保護するための管理と、野良猫全体を嫌悪して殺処分を求めることは別の問題だと強調。個体数を減らすには、地域ごとの集中的なTNR、給餌所と衛生の管理を組み合わせ、感情的な賛否ではなく科学的根拠を基に対策を議論する必要があると述べた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News