【7月29日 CNS】近年、中国の電気自動車、太陽光発電、半導体などのハイテク産業が世界市場で存在感を高めるにつれ、西側の言論空間では「チャイナ・ショック2.0」と呼ばれる懸念論が広がっている。

この論調は、欧州製造業の苦境を、中国の過剰生産能力や補助金政策、過小評価された為替レートに帰し、さらには中国製造業の「過剰生産能力」が世界経済を脅かしているとまで主張している。

最近では、欧州で「チャイナ・ショック2.0」を巡る論調がさらに強まっている。英国紙「デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)」は6月3日、「チャイナ・ショック2.0はわれわれが知る欧州を破壊する可能性がある」と題した記事を掲載し、中国の製造業が欧州、とりわけドイツの基幹産業に大きな打撃を与えていると報じた。また、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領大統領も、中国の輸出が「欧州の大半の産業を締め付けている」と述べた。

中山大学(Sun Yat-sen University)国際関係学院の孫興傑(Sun Xingjie)副院長は三里河中国経済観察の取材に対し、このような「責任転嫁型」の論調は、欧州経済が抱える構造的問題の本質を覆い隠すことはできず、市場原理やグローバルな分業体制の強靭さも過小評価していると指摘した。いわゆる「チャイナ・ショック2.0」とは、西側の一部が産業競争力の低下に直面した際に生じた認識のゆがみにすぎないという。

三里河が注目したのは、「チャイナ・ショック2.0」論の核心が、外部に仮想敵をつくり、内部の問題を説明しようとする点にあることだ。例えば、西側メディアは欧州各国で製造業の雇用が失われた原因を中国からの輸出に単純化して求める一方、自国経済が長年抱えてきた構造的な問題には意図的に触れようとしない。

第一に、欧州の伝統的な製造業が苦境に陥っているのは、イノベーション体制の硬直化とエネルギーコストの高騰によるものである。デジタル化とグリーン化という二つの世界的な潮流の中で、一部の欧州企業は変化への対応が遅れた。

孫興傑氏は、ロシア・ウクライナ紛争以降、欧州は極めて高いエネルギーコストに直面しており、今回の米国・イラン間の対立も同様に、産業全体のコストを押し上げていると指摘した。また、人工知能が牽引する新たな産業革命においても、欧州はすでに後れを取っているとし、「欧州には大規模言語モデルもなければ、十分な計算資源もなく、アルゴリズムの開発も進んでいない」と述べた。

第二に、製造業が直面する苦境を中国のせいにするのは、見当違いだという。例えば、フランスやドイツなどの伝統的な工業国が現在直面している産業上の困難は、長年依存してきたロシア産の安価なエネルギー供給モデルがロシア・ウクライナ紛争によって崩壊したことや、高度に依存してきた輸出市場が技術の自立を進めていることが大きな要因となっている。

孫興傑氏は、このような需給構造の二重の変化は、地政学的変動と世界のバリューチェーン再編の必然的な結果であり、「チャイナ・ショック論」で欧州自身のエネルギー政策や産業戦略の失敗を覆い隠そうとすることは、自らの問題から目を背けることに等しいと述べた。

また、「チャイナ・ショック2.0」は、中国のハイテク製品輸出の急増を市場をゆがめる行為と決めつけているが、それ自体が二重基準に基づく貿易覇権的な発想だとしている。

実際には、中国側が繰り返し説明しているように、中国製品の競争力の源泉は、継続的な研究開発への投資と巨大な国内市場で鍛えられた競争力にある。電気自動車を例に取れば、中国メーカーは世界で最も競争の激しい市場を勝ち抜いてきた。その競争力は技術革新のスピードとサプライチェーンの効率性にあり、補助金だけによるものではない。

警戒すべきなのは、「チャイナ・ショック2.0」という論調が世論に不安をあおり、中国と欧州の深い経済的な相互依存関係を断ち切ろうとしている点だ。しかし、それは現実のビジネスの論理では成り立たない。

関連する分析が指摘するように、中国がレアアースや成熟プロセス半導体の輸出を制限すれば、欧州の工場は12週間以内に操業停止に追い込まれる可能性がある。これは「デカップリング」の虚構を浮き彫りにしている。中国と欧州は高度に連携した産業・サプライチェーン共同体である。例えば、ドイツの大手自動車メーカーは中国市場で高い販売比率を占めており、その利益が欧州本国の研究開発や雇用を支えている。

西側の一部の機関やメディアは、中国の科学技術や産業イノベーションに不安を抱き、さまざまな理由から「チャイナ・ショック2.0」という論調を打ち出している。しかし、それとは対照的に、より多く語られているのが「チャイナ・オポチュニティ2.0」という言葉である。

各国企業にとって、「チャイナ・オポチュニティ2.0」は、あらゆる分野でのイノベーションによる支援と、高い投資収益の機会を意味する。世界全体にとっては、より利用しやすい先進技術と、より広く共有されるイノベーションの成果を意味している。

孫興傑氏は、欧州は「ラストベルト(さびついた工業地帯)」への悲観論に浸るのではなく、中国のハイテク産業の台頭が市場競争とイノベーションの成果であることを冷静に認識すべきだと指摘した。深く結び付いたこの世界では、協力と相互利益こそが進むべき道であり、スケープゴートを探しても、自らの競争力の不足を解決することはできないと述べた。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News