就任1周年の記者懇談会で発言する韓国のチョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相=統一省提供 (c)news1
就任1周年の記者懇談会で発言する韓国のチョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相=統一省提供 (c)news1

【07月26日 KOREA WAVE】韓国のチョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相は23日、就任1周年を迎え、政府が北朝鮮の核問題を巡る政策を「先に非核化」「先に核廃棄」から「先に平和」へ転換したと明らかにした。

チョン・ドンヨン氏は政府ソウル庁舎で開いた記者懇談会で、「先に非核化、先に核廃棄という考え方を撤回し、先に平和を築く方式へ転換した。これがイ・ジェミョン(李在明)政権の平和戦略改革だ」と述べた。

北朝鮮の核問題を完全に解決するとの意味で使われてきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」も撤回し、北朝鮮による核開発の中断を優先する戦略を具体化していると説明した。

イ・ジェミョン政権は北朝鮮核政策として「中断、縮小、廃棄」の順序を掲げている。イ・ジェミョン大統領は2025年9月の国連総会で、交流、関係正常化、非核化からなる対北朝鮮構想を示していた。

ただ、チョン・ドンヨン氏の発言は交流や関係正常化より非核化を後回しにする趣旨とも受け取れるため、政府が北朝鮮の非核化を事実上断念したとの批判が出る可能性がある。

チョン・ドンヨン氏は「この瞬間も北朝鮮ではウラン濃縮やプルトニウム生産、核弾頭増強の動きが続いている」と指摘。「保有する核兵器が約90発と推定される状況で、これ以上時間を遅らせてよいのかという問題意識がある」と語った。

また、南北間の敵対と対立の悪循環を断ち切り、平和共存体制へ移行するため、組織安定、日常の平和回復、平和共存政策への転換、核・平和戦略の改編、規制緩和、平和統一教育改革、北朝鮮離脱住民への認識改善という「7大改革」を進めてきたと説明した。

この1年の主な成果には、軍事境界線周辺の住民が日常の平穏を取り戻したことを挙げた。イ・ジェミョン大統領が就任直後に北朝鮮向け拡声器放送の中止と設備撤去を指示し、吸収統一を求めないことや北朝鮮の体制と主権を尊重する原則を示した点を評価した。

政府は対北朝鮮ビラの散布を制限する法改正や、境界地域での無人機飛行を禁止する航空安全法の改正も終えたという。今後は2018年の南北軍事合意の復元を進め、境界地域の自治体と平和経済特区の造成や住民への補償策を協議する。

北朝鮮研究への支援も拡大する。南北協力基金法施行令を改正し、北朝鮮学を専攻する大学院生に奨学金を支給する案を進める方針だ。

民間人による北朝鮮住民との接触規制を緩和し、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞も一般資料へ切り替えた。統一教育についても、北朝鮮の脅威を強調する安全保障中心の内容から、平和共存や対話、協力、市民社会の価値を重視する方向へ改めるとしている。

チョン・ドンヨン氏は北朝鮮離脱住民を指す公式用語を、現在の表現から「北に故郷を持つ住民」という意味の呼称へ改める必要性も改めて強調した。定着教育施設では携帯電話の使用を認め、2026年7月の修了者から新型端末を支給していると説明した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News