SNSで「SBSのAI気象キャスター」として拡散した画像。実際のSBSの天気予報とは無関係の生成AIコンテンツ=Xの画面キャプチャ(c)NEWSIS
SNSで「SBSのAI気象キャスター」として拡散した画像。実際のSBSの天気予報とは無関係の生成AIコンテンツ=Xの画面キャプチャ(c)NEWSIS

【07月26日 KOREA WAVE】韓国のインターネット上でこのほど、民放局SBSのニュース番組に登場したかのような「AI気象キャスター」の画像が拡散し、大きな話題となっている。技術の進歩で本物と見分けがつきにくくなる中、雇用への影響やジェンダー表現を巡り議論が広がっている。

拡散したのは、女性の気象キャスターが気象図を背景に天気を説明する様子を捉えた画像。短文投稿プラットフォーム「X(旧ツイッター)」などで22日頃から、「SBSのAI気象キャスター」との説明とともに広まった。

しかし、この画像はSBSが制作・放送したものではないことが判明した。民間気象サービス企業が運営するYouTubeチャンネルが公開した生成AIコンテンツの一場面で、画像内の人物も実在の人物ではなく「キム・シアAI気象キャスター」として紹介されている。

映像内にはAI技術で制作した旨の表記があるものの、気象図を指さす仕草や画面構成が実際のニュース番組に酷似していたため、画像単体ではAI生成物だと見抜くことが難しく、誤解が広まったとみられる。一方で、精査すると人物の輪郭にわずかなブレや不自然な描写も残されており、AI生成技術の進化と課題を浮き彫りにした。

ネット上では「気象キャスターやニュースキャスターもAIに代わる時代が来たのではないか」と将来的な雇用の変化を懸念する声が上がった。また、情報の正確性や検証方法について疑問視する意見も出ている。

さらに、AIキャスターの容姿や衣装を巡る議論も噴出。「女性キャスターが外見中心に表現され、着飾った姿で消費される傾向があるのではないか」と、放送界における男女の描かれ方の違いを指摘し、批判する書き込みもみられた。

韓国の放送界では以前にもAIを活用した試みがある。地方局の麗水MBCは2021年、韓国の放送局として初めてAI気象キャスターやラジオニュースキャスターを導入したが、約1年で廃止された経緯がある。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News