「5・18民主化運動」を侮辱する応援で出場停止処分を受けた培材高校野球部。再審の結果、処分は6カ月から1カ月に短縮された=19日、ソウル市江東区 (c)news1
「5・18民主化運動」を侮辱する応援で出場停止処分を受けた培材高校野球部。再審の結果、処分は6カ月から1カ月に短縮された=19日、ソウル市江東区 (c)news1

【07月26日 KOREA WAVE】韓国の国家教育委員会は、培材高校の野球部員による「5・18民主化運動」侮辱問題の再発防止に向け、嫌悪や差別を退け、政治や経済、社会問題を教育対象とする「学校市民教育国家基本原則案」を公表した。教育界では方向性に賛同する一方、教育だけで問題を解決するのは難しいとの慎重な意見も出ている。

基本原則案は、憲法の価値や民主主義、歴史的事実について学校が明確に教えることを柱とする。政治的、社会的に意見が分かれる問題では、教員が政治的中立性を保ちながら多様な観点を示し、生徒に討論させるとしている。

嫌悪と差別を排し、他者の権利や多様性を尊重する市民に成長できるよう支援する内容も盛り込まれた。

学校での市民教育の重要性は、培材高校の生徒が光州第一高校との野球の試合中、5・18民主化運動をやゆする応援をしたことで注目を集めた。

ただ、学校現場で嫌悪表現が遊びのように広がる中、市民教育だけでは限界があるとの指摘もある。生徒の間に広がる嫌悪や嘲笑の文化には交流サイト(SNS)の影響が大きく、今回の原則が問題解決より党派的な対立を招く恐れがあるとの見方も出ている。

韓国教員団体総連合会は、市民教育を強化する方向には賛同しながらも、宣言的な原則だけでは教室内の対立を解決するのは難しいと指摘した。政治的中立性に関する明確な基準や、現場で適用できる具体的な指針が必要だとしている。

同団体は、培材高校の問題を民主市民教育の不足だけで説明することにも慎重な姿勢を示した。最近実施した教員調査では、生徒の嫌悪や嘲笑表現の原因として、SNSなどで不適切な表現が日常化していることを挙げた回答が最も多かった。歴史や民主主義、人権教育の不足を挙げた回答は比較的少なかったという。

全国教職員労働組合も、市民教育の必要性には同意しつつ、教員を保護する制度の整備を求めた。明確な事実と議論が必要な問題を区分する基準が抽象的で、苦情が寄せられた際に教員を守る仕組みが不足していると指摘した。

そのうえで、教育省や各自治体の教育庁による詳細な指針と、苦情への対応体制が必要だとした。

国家教育委員会は31日まで、公式サイトの意見募集ページで国民の意見を受け付ける。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News