[KWレポート] 日韓ビジネス仕事人(12) 「口先だけの人は信じない」シビアなカルチャー業界で生き残るための“結果と真実性”
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【07月20日 KOREA WAVE】――お仕事をするうえで、最も大切にしていることは何ですか。また、絶対に妥協しない部分があれば教えてください。
「私が仕事をするうえで最も大切にしているのは、信頼と実行力です。私は、言葉だけが上手な人をあまり信頼しません。優れたアイデアやビジョンを語ることは、誰にでもできます。でも、それを実際に実行し、結果につなげることはまったく別の問題です。もちろん、そうした部分は一緒に仕事をしてみないと分からない場合もありますが、意外とすぐに見えてくることもあります」
「カルチャー業界は、外から見ると華やかに見えるかもしれません。でも実際には、とてもシビアな世界です。どれほど素晴らしい構想があっても、実行できなければ意味がありません。結局、重要なのは結果を出せるかどうかなのです。すべてのプロジェクトは、人と人との信頼を基盤に成り立っています。その中で、どれだけ責任感を持って最後まで走りきれるかが大切です」
「私は完璧な人よりも約束を守る人が好きです。そして、言葉ではなく結果で証明する人に惹かれます。一方で、絶対に妥協できないのは『真実性』(本物であること)です。文化、芸術、コンテンツという仕事は、人の感情や価値観と深く結びついています。短期的な利益だけを追いかけて本質を失ってしまうと、長く続けることはできません。だからこそ、どんなプロジェクトでも『なぜこの仕事をするのか』という明確な理由を持ち、真摯に向き合うことを最も大切にしています」
――SNSやショート動画の広がりによって、アーティストの役割や活動の仕方も大きく変化しています。この変化をどのように見ていますか。
「変化のスピードは、明らかに以前よりもはるかに速くなっています。かつては、作品そのものが評価の中心でした。でも今は、制作過程、日常、考え方まですべてがコンテンツになる時代です。アーティストが直接ファンとコミュニケーションを取る機会が増えた一方で、絶えず自分を見せ続けなければならないというプレッシャーも生まれています」
「ただ、最も重要なのはプラットフォームではありません。どのSNSを使うか、どのような方法で発信するかよりも大切なのは、自分だけの声と世界観を保ち続けられるかどうかです。情報があふれる時代だからこそ、最後まで残るのは『一貫性』です。何を見せるにしても、その人らしさが感じられること。それが、これからますます重要になっていくと思います」
――新人アーティストやクリエイターを育成する際、最も重視している資質は何ですか。
「大きく二つあります。一つ目は、真実性です。最初から完成されている人はほとんどいません。でも、学び続け、失敗を受け入れ、自分の道を着実に歩んでいく人は、必ず成長します。二つ目は、自分だけのアイデンティティと世界観です。私は単に才能だけを見ているわけではありません。その人がどんな価値観を持ち、どのような視点で世界を見ているのかを、とても大切にしています。才能があっても、自分自身を閉ざしてしまう人とは一緒に進むのが難しいです」
「反対に、まだ完成されていなくても、開かれた心で学び、柔軟に受け入れ、自分自身と真剣に向き合える人には、大きな可能性を感じます。作品だけでなく、その人自身から何がにじみ出ているのかが重要です。アーティストは、作品だけでなく存在そのものでも物語を伝える人だと思っています。だから私は、優れた才能以上に、その人だけの視線を持っているかを見ています」
――韓国と世界をつなぐ活動の中で、最も難しかったことは何ですか。
「言語の違いよりも難しかったのは、文化的な違いを理解し、それをどのようにローカライズするかということでした。同じコンテンツやプロジェクトであっても、国や市場によって期待される形はまったく異なります。意思決定のスピードも違えば、価値観も違い、魅力的だと感じるポイントも異なります。そして、グローバルビジネスにおいて最も重要な要素のひとつが『ローカライゼーション』だと思っています」
「それは単に言語を翻訳することではありません。その地域の文化や文脈を深く理解しながら、本来の価値やアイデンティティを失わないバランスを見つけることです。そのためには、相手を理解しようとする姿勢が必ず必要です。絶えず対話し、お互いの違いを認め合い、共通の目標を見つけていくこと。その積み重ねが、最終的に信頼につながるのだと思います」
――今後、日本と韓国の文化はどのような形で、より深くつながっていくと思われますか。
「韓国と日本の文化は、すでに非常に深くつながっていると思います。それは決してK-POPだけを意味するものではありません。より広く見れば、音楽、ファッション、アート、ゲーム、アニメーションなど、ほぼすべての分野で両国のクリエイターとファンはリアルタイムに影響を与え合っています。かつては、コンテンツを輸出し、消費するという関係でした。でも、これからは変わっていくでしょう。私は、これからの時代は『交流』ではなく『共同創造』の時代だと考えています」
「実際に私自身も、『ComplexCon』のようにアート、音楽、ファッション、IPが交差するプロジェクトを通じて、その可能性を強く感じています。韓国と日本には、それぞれ異なる強みと文化的背景があります。日本には、長い時間をかけて蓄積されてきた圧倒的な完成度と職人精神があります。一方、韓国にはスピード感と市場の変化に対する高い対応力があります。この二つが結びついたとき、これまでになかった新しいカルチャーやコンテンツが生まれるはずです」
「日韓両国の可能性は非常に大きいと思います。両国の創造性が本当の意味で出会う瞬間、その影響力はアジアを越え、世界のカルチャーそのものを動かす力になるでしょう。韓国と日本は、これからグローバルカルチャーの未来を共につくっていく、非常に重要なパートナーになると確信しています」
――挑戦したいこと、そして若い世代に伝えたいメッセージは?
「昨年、台湾で大型カルチャーフェスティバル『ComplexCon』を開催しました。その経験を通じて、カルチャーが国境を越えて人と人をつなぐ瞬間を、改めて強く実感しました。私が目標としているのは、文化、芸術、ライフスタイルがひとつにつながるグローバルな文化プラットフォームをつくることです。単に展示を見せたり、コンテンツを紹介したりするだけではなく、人々が新しい文化を体験し、交流し、インスピレーションを得られる場をつくりたいと思っています」
「韓国、日本、そしてアジアには、世界の舞台で活躍できる優れたクリエイターがたくさんいます。私は、彼らがより大きな舞台で自由に羽ばたけるよう、つなぎ、支える存在になりたいです。若い世代には、トレンドを追うこと以上に、自分だけの視線を持ってほしいと伝えたいです。文化や芸術は、正解を探す世界ではありません。むしろ、新しい問いを投げかける世界です。多くの経験をし、さまざまな人に出会い、広い視野で世界を見てほしいと思います。結局、自分だけの視線こそが、最大の競争力になるはずです」
(c)KOREA WAVE/AFPBB News