【7月25日 AFP】米国では、ワクチン接種への懸念が高まる中、ここ35年間で最悪となるはしかの流行が発生している。24日に発表された公式統計で明らかになった。

米疾病対策センター(CDC)によると、2026年に入ってからのはしかの確定症例は2318件記録されている。これは、幼い子ども2人を含む3人の死亡例と、2289件の症例を記録した2025年の合計を上回る数字となっている。

米国での感染者数がこれほど高水準に達したのは、9643件の症例が記録された1991年以来。

はしかは、発熱、呼吸器症状、皮膚の発疹を引き起こし、場合によっては、肺炎や脳炎などのより重篤な合併症を引き起こし、深刻な後遺症や死に至ることもある。

米国ではワクチン接種もあり、2000年にはしかの根絶が宣言された。しかし近年、接種率の低下と保健当局への不信感の広がりを背景に、症例が急増している。

ドナルド・トランプ米大統領の下で厚生長官を務めるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、反ワクチンの感情を広め、十分に研究され効果が証明されている予防接種への不安をあおることで、この危機に大きく加担したと非難されている。

現在の感染拡大は収束しておらず、専門家は感染者数が今後も増加し続けると予想している。

今年最多の感染者数を記録しているサウスカロライナ州にある、サウスカロライナ大学のメリッサ・ノーラン教授はAFPに対し、「確実に診断漏れ(未診断)が存在すると考えている」「子どもへのワクチン接種を行わない選択をする人々について考えると、彼らは一般的に医療全般に対してもためらいを感じている人々でもある」と述べた。

米国では、はしかワクチンの接種が義務付けられているものの、国内の多くの地域で、宗教的理由、場合によっては哲学的な理由を挙げることで、この規則を回避することが可能となっている。

米紙ワシントン・ポストと非営利団体KFFが2025年9月に行った世論調査によると、国内の保護者の6人に1人が副反応への恐れや保健当局への不信感から、子どもへのワクチン接種を避けたり遅らせたりしているという。この傾向は、特に白人や保守派のコミュニティーで顕著で、医療専門家らにとって大きな懸念材料となっている。(c)AFP