【三里河中国経済観察】中国7部門、大企業・中小企業の協調発展を後押し
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【7月27日 CNS】中国で毎年大きな注目を集めるEC大型セール「618」が終わってから、約1か月がたった。各プラットフォームが大規模な販促を繰り広げたその裏で、中国のプラットフォーム経済では、今後の発展の方向性を左右する新たな動きが始まっている。
6月18日、中国工業・情報化部など7省庁は「プラットフォーム経済における大企業・中小企業の協調発展促進行動計画(2026~2028年)」を発表した。そこには重要なメッセージが示されている。大企業と中小企業の協調発展が、今後のプラットフォーム経済の重要な柱となるということだ。
中国情報通信研究院の余暁暉(Yu Xiaohui)院長は「三里河中国経済観察」の取材に対し、「行動計画」の策定は、中国のプラットフォーム経済が多様化と協調を軸とする新たな発展段階へ進んだことを意味すると述べた。
一般の人びとにとって、プラットフォーム経済はすでに身近な存在だ。シェアサイクルや配車サービス、フードデリバリー、ライブ配信、EC、ショート動画などを通じて、人びとの日常生活のあらゆる場面に浸透している。
データもその重要性を裏付けている。現在、中国の主要プラットフォーム企業の利用者数はすでに10億人を超えている。プラットフォーム経済は家庭の暮らしを支えるだけでなく、あらゆる産業を結び付ける存在となっており、その戦略的重要性はますます高まっている。
一方で、企業間の連携不足は業界が抱える課題の一つだ。人工知能(AI)時代に入り、プラットフォーム企業間の競争は一段と激化している。競争はもはや単一の商品や分野にとどまらず、イノベーションチェーン、産業チェーン、サプライチェーン、資金チェーン、人材チェーンを含めた総合力の勝負へと変化している。そのため、大企業と中小企業の協調発展が、プラットフォーム経済の転換における重要課題として位置付けられている。
余氏は、協調発展を実現できるかどうかが、プラットフォーム経済が技術・産業変革の時代のチャンスをつかめるかを左右するとともに、AI時代における戦略的な位置付けを決定すると指摘した。ただし、協調とは単なる足し算ではない。市場、資本、技術、情報といった基盤となる資源を深く共有する仕組みが求められる。
余氏によると、プラットフォーム経済は典型的な両面市場の特徴を持つ。大手プラットフォーム企業はエコシステムの中核として、技術やデータ、ルールを握る「少数派」の存在であり、一方で膨大な数の中小事業者やサービス事業者、消費者はエコシステムを支える「多数派」である。この「少数」と「多数」の関係をどう構築するかが、プラットフォーム経済の質の高い発展を実現するうえで避けて通れない課題となっている。
「行動計画」では、そのための三つの方向性が示された。第一は「イノベーション協調」であり、最も重要な位置付けとなっている。余氏は、プラットフォーム経済におけるイノベーションは二極化が進んでいると説明する。大手企業は資金力と技術力を背景に最先端分野で優位性を築く一方、多くの中小企業は研究開発投資や人材、実験環境の制約から、応用レベルやビジネスモデルの革新にとどまりがちだという。
こうしたイノベーションチェーンにおける資源配分の偏りを解消するため、「行動計画」は協調イノベーション推進プロジェクトを打ち出した。科学技術イノベーションを源泉とし、産業イノベーションを牽引役、サービスイノベーションを波及役として、イノベーション主体の育成メカニズムや支援体制の整備を進める方針だ。
一連の施策により、大企業と中小企業のイノベーション格差の解消を目指す。第二は「エコシステム協調」であり、協調発展を実現する鍵となる。余氏は、理論上はプラットフォーム内の各主体が互いに補完し合いながら価値を創出するものの、市場での立場の違いから、実際にはルールやアルゴリズム、技術面などで見えにくい制約が依然として存在すると分析する。
こうした状況を踏まえ、「行動計画」はエコシステム協調の高度化を進め、コンプライアンス、産業、サービス、海外展開の四つを柱とする協調型エコシステムの構築を提唱している。
多角的な施策を通じて、プラットフォーム企業とエコシステム内の中小事業者が相互に力を高め合うことを目指す。第三は「オープン協調」であり、現時点で最も緊急性の高い課題とされている。余氏は「オープン性はプラットフォーム経済が本来持つ特性だ」としたうえで、「何を開放するのか、誰に開放するのか、どのように開放するのかという問題は、大企業と中小企業の協調を妨げる根本的な課題であり続けてきた」と指摘した。
これに対し、「行動計画」は技術能力、データ要素、計算資源(コンピューティングリソース)の開放に重点を置き、オープンソースエコシステムの活性化、信頼できるデータ空間の構築、計算資源の相互接続推進などの施策を打ち出している。
プラットフォーム経済は、「トラフィック獲得競争」から「エコシステム全体の共存共栄」へと転換しつつあり、協調イノベーションを原動力とする新たなスタートラインに立っている。「少数」と「多数」が手を取り合うことで、プラットフォーム経済の未来は、より厚みのあるエコシステムと、より高いイノベーションによって切り開かれていく。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News