【7月22日 AFP】フランス検察は20日、21歳のアルジェリア系フランス人男性が数年間にわたり人種差別的な嫌がらせを受けた末に自殺したとの家族の訴えを受け、捜査を開始したと発表した。

男性の遺体は13日、フランス東南部に位置する人口約2000人のシャトネ村で見つかった。

人権団体は、反移民を掲げる極右政党、国民連合(RN)の勝利が予想されている来年のフランス大統領選を前に、人種差別的な言説が増加していると警鐘を鳴らしている。

オリビエ・ラボ検事によると、男性は2通の遺書を書き残していたという。

ラボ検事は、検察が「人種的憎悪に起因する度重なる殺害予告、心理的嫌がらせ、自殺教唆、いじめ、人種差別的虐待」の容疑で調査に着手したと述べた。

男性の両親は息子が村の若者たちから数年間にわたり人種差別的虐待を受けていたと主張している。

若者たちは村の行事で男性に対し「ここはお前の居場所じゃない」などと暴言を吐いたという。

男性のおじがフランスの放送局に語ったところによると、男性の母親はアルジェリア出身で、男性は自身の肌の色に対して劣等感を抱くようになっていたという。

シャトネ村では20日、複数の村人が人種差別は身近にあると語った。

物流チームリーダーのアノー・エリゴンさん(53)は、「上の世代が、人種差別を当たり前のものとして子ともたちを育ててきた」「差別は私たちのすぐ身近にある」と語った。

有色人種の血も混じっている混血の女性アレックスさん(23)は、2人の妹が学校で「お前の肌はウンコみたいだ」といった嫌がらせを受けていると明かした。

反人種差別団体「SOSラシズム」は、数か月前から「人種差別的な虐待や嫌がらせの再燃について警告を発してきた」とコメント。

「公然とした人種差別的発言の増加は、公的議論においてそれが正当化・日常化された結果だ」「政治指導者たちが極右の強迫観念や主張を採り入れ、メディアが人種差別を絶え間ない論争の種とする中で、他者を侮辱し、嫌がらせを加え、攻撃する権利が自分たちにあると思い込む人々が現れている」と批判した。(c)AFP