ソウル市内の乳児一時保護施設で、職員が子どもたちの世話をしている=写真は記事の内容と関係ありません(c)news1
ソウル市内の乳児一時保護施設で、職員が子どもたちの世話をしている=写真は記事の内容と関係ありません(c)news1

【07月21日 KOREA WAVE】韓国で、予期せぬ妊娠に直面した女性を支援する「危機妊娠保護出産制度」が始まってから2年を迎える。制度開始から2026年6月までに継続的な相談を受けた726人のうち、409人が実子養育を選んだ。

制度は2024年7月、出産や養育を一人で抱えることが難しい女性を支援するために始まった。直接養育することが難しい場合には、医療機関で仮名を使って検診や出産をし、国が子どもの保護につなげる「保護出産」も選択できる。

全国17カ所の地域相談機関と相談電話「1308」は、妊娠から出産、養育までを支援する。出産や実子養育、養子縁組などの選択肢を案内し、医療費や生活費、住居費の支援、一人親家庭向け福祉施設への入所、心理・法律相談などにつなげる。

制度開始から2026年6月までに、危機妊婦4251人が計1万8088件の相談を受けた。保護出産の申請は253件で、このうち47件が相談後に撤回され、最終的な保護出産は206件だった。

妊娠を知った当時10代だった女性は、両親に打ち明ければ縁を切られるのではないかと恐れ、自分で育てるより養子に出す方がよいと考えていた。しかし、相談員から「あなた一人だけの責任ではない」と声をかけられ、出産後の熟慮期間に子どもの世話をする中で、自ら育てることを決めた。

女性は現在、一人親家庭向け福祉施設で子どもを育てながら、育児や生活、住居、職業訓練の支援を受けている。「子どもを見て、必ず自分で育てようと思った。何の準備もなく連れ帰るのは無責任だと考え、養育できる環境を整えてから迎えた」と話した。

カンウォン地域相談機関のキム・ウンジ・チーム長によると、相談後に保護出産から実子養育へ選択を変える例も少なくない。特に10代の妊婦は、家族の反対や経済的事情から妊娠中絶や保護出産を考える場合が多いが、出産後に子どもと接することで養育への自信を持つことがあるという。

一方、制度の定着には出産後の支援拡充が必要との指摘もある。危機妊婦が最も多く訴えるのは経済的負担で、医療費だけでなく、養育や住居、生活を継続するための支援が求められている。

キム氏は、家族の支援を受けられず、生活保護や一人親支援の対象にもならない人が制度のはざまに置かれていると指摘した。親への教育や祖父母による養育など、多様な支援制度の周知も必要だと強調した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News