【7月29日 東方新報】2025年の中国中央電視台(CCTV)春節聯歓晩会に登場したロボット犬や、深度求索(DeepSeek)が巻き起こしたAIブームを背景に、人工知能(AI)の波が青少年向け研修旅行にも広がっている。

夏休みを迎え、名門大学やハイテク企業の見学、AIツールの操作、画像や動画の制作などを組み込んだAI研修プログラムが人気を集めている。中国の調査機関「艾媒諮詢(iiMedia Research)」によると、63.03%の消費者が子どもの研修旅行への参加に「非常に前向き」と回答し、市場規模は2028年に3000億元(約円)を超えると予測されている。

江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)一路有寧国際旅行社では、上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)や浙江大学(Zhejiang University)、阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)などを訪れるコースを展開している。現在、上海市・杭州市(Hangzhou)方面のプログラムでは、AI関連の内容が8割以上を占めるという。

特に子どもたちに人気なのが実習だ。AIを使った絵やアニメーションの制作、ロボットの操作などを体験できる。担当者は、実際に手を動かすことで、子どもたちが自ら質問し、学びへの関心を深めると説明する。

青少年向け研修旅行ブランド「宝貝走天下」も、AI研修センターを設立し、独自のカリキュラムを開発している。ロボットアームの講座では、小学生が組み立てや操作を体験し、中学生はプログラミングによる制御にも取り組む。

同社は、AI機器を操作するだけでなく、想像力や自ら問いを立てる力、課題解決力、創造性、共感力など、AIには代替できない人間の能力について考えさせることも重視している。

一方、AI研修の人気に便乗し、「6日でAI企業を立ち上げる」「8歳でマネージャー、13歳で社長」など、効果を誇張する宣伝も現れている。業界関係者は、企業見学を並べただけのプログラムでは長続きせず、専門性と子どもにも分かりやすい内容の両立が必要だと指摘する。また、質の高い指導者の育成や、大手AI企業との安定した連携も課題となっている。

専門家は保護者に対し、短期間の研修だけで子どもの能力が飛躍的に向上すると期待すべきではないと注意を促す。AI研修はあくまで体験型学習であり、今後AIと自然に共存していく子どもたちに、関心を持つきっかけを与えることが重要だとしている。(c)東方新報/AFPBB News