韓国最高裁が示した「親孝行への報い」…生前贈与を遺留分から除外する新法適用「長年の扶養は前払いじゃない」
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【07月19日 KOREA WAVE】27年間にわたり母親を扶養した対価として生前に受け取った財産について、韓国最高裁は、遺留分(最低限保証された遺産取得分)を算定する際の基礎財産から除外すべきだとの初判断を示した。遺留分制度を巡り憲法不合致決定が出された際、係争中だった事件にも、今年3月に施行された改正民法(新法)を遡及適用すべきだとしている。
法曹界によると、最高裁第3部は、姉妹の一人が共同相続人であるもう一人の娘を相手取り、遺留分の返還を求めた訴訟の上告審で、原告の請求を一部認めた二審判決を破棄し、事件を大邱地裁に差し戻す判決を言い渡した。
被告となった娘は27年間にわたって同居して母親を扶養し、医療費や携帯電話料金などを負担し続けてきた。母親は亡くなる6年前の2016年11月、長年介護をしてくれたこの娘に約1億9800万ウォン(約2180万円)を贈与した。その後、2022年11月に母親が他界すると、もう一人の娘(原告)がこの生前贈与を「特別受益(遺産の前払い)」と主張し、自身の遺留分を侵害しているとして返還を求めて提訴した。
一審と二審は、当時の旧民法に基づき、贈与された金銭を特別受益と認定。遺留分算定の基礎財産に含めるべきだとして、被告の娘に遺留分の支払いを命じていた。
しかし最高裁は、長期間にわたり被相続人を扶養した対価として受け取った財産は、遺留分の返還対象(特別受益)から除外できると判断した。
背景には、遺留分制度を巡る法改正がある。
韓国の憲法裁判所は2024年4月、特別の貢献や扶養をした相続人の寄与分を考慮しない旧民法の遺留分規定について、寄与した相続人に不当な返還義務を負わせるとして「憲法不合致」の決定を下した。これを受け、国会は2026年3月、長期間の同居や看護による特別な扶養、または財産の維持・増加に特別に貢献したことへの補償として贈与された財産は、遺留分算定の基礎財産(特別受益)から除外する新法を施行していた。
最高裁は「本件は憲法不合致決定が出された当時、旧法を前提に裁判が継続中だったため、決定の遡及効が及ぶ。違憲性が解消された新法を適用すべきだ」と指摘。旧法に基づいて生前贈与分を特別受益に含めた二審判決には法理の誤りがあるとし、審理のやり直しを命じた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News