【7月18日 AFP】英国でシーク教徒(インドで始まった宗教)の男が白人男性を刺殺した事件で、サウザンプトン刑事法院は17日、シーク教徒の男の母親に対し、凶器の儀礼用ナイフを隠そうとしたとして証拠隠滅等罪で拘禁3年の判決を言い渡した。

被害者のヘンリー・ノバクさんは、加害者のビクラム・ディグワ受刑者(23)によって人種差別発言をしたというぬれぎぬを着せられ、手錠をかけられたまま死んでいく映像が公開され、激しい怒りが広がった。

ディグワ受刑者は6月、携帯電話をめぐる口論の末、刃渡り21センチの儀礼用ナイフを使ってノバクさんを刺殺したとして、6月に終身刑を言い渡され、仮釈放が可能になるまでに服役しなければならない最低拘禁期間を21年に設定された。

極右勢力はこの事件について、警察が民族的少数派(エスニック・マイノリティー)を白人よりも寛大に扱う「2層構造の取り締まり」の一例にすぎないと指摘し、白人の権利や特権が民族的少数派のそれよりも軽視されていると主張した。

ディグワ受刑者の母親キラン・カウル被告(53)は17日、儀礼用ナイフを犯行現場から自宅に持ち帰ったとして、拘禁3年を言い渡された。

ウィリアム・ムースリー判事は、「良識のある親であれば、息子の行動を問い質し、正しいことをするよう促したはずだ」と指摘。

「それにもかかわらず、あなたは儀礼用ナイフを自宅に持ち帰り、息子の部屋にある儀礼用やその他の武器のコレクションに紛れ込ませた」「それは、儀礼用ナイフが何に使用されたかを隠蔽(いんぺい)する助けとなった」 と付け加えた。

ムースリー判事は、カウル被告が儀礼用ナイフを持ち去ったことで、警察官がノバクさんの真実の主張よりも、人種差別を受けたとするディグワ受刑者の虚偽の主張を信じることにつながったと述べた。

ニコラス・ロッベンバーグ検事は法廷で、「儀礼用ナイフが現場になかったことが、ノバクさんがぬれぎぬを着せられ、恐怖におびえて孤独に死亡する結果を招いた」と述べた。

一方、弁護側のマーク・ワトソン弁護士は、カウル被告の行動は深夜にディグワ受刑者から電話を受けた後の「一時的なパニック」から生じたものだと主張。

「凶器は破壊されておらず、洗浄もされておらず、解体されて隠されたわけでもない」と述べた。 (c)AFP