【7月28日 東方新報】7月の中国・黒竜江省(Heilongjiang)鶴崗市(Hegang)では、夜になると漂う焼き肉の香りとともに、夏の観光シーズンが本格的に幕を開ける。

ネット上では「串焼きに包まれた街」とも呼ばれる鶴崗市は、ご当地名物の一口サイズの串焼きを切り口に、人情味あふれる街の魅力や地域産業、避暑観光を融合させ、「鶴崗では初対面でもすぐに打ち解けられる」という街ならではの温かさを発信している。

鶴崗市興山区の「紅鉱廠小串喜楽匯」では、鉱山跡の工場とキャンプスタイルのテントが調和した独特の空間が広がる。興安区のグルメ広場では、音楽に合わせて噴水が踊り、大型スクリーンではスポーツ中継が流れる中、来場者が夜風に吹かれながら串焼きとビールを楽しむ。向陽区の振興広場ではビールフェスティバルが開催され、グルメと音楽が融合した人気のナイトスポットとなっている。

人気店はどこも満席で、厨房では焼き場のスタッフが休む間もなく串を焼き続ける。「観光客から『鶴崗の串焼きは本当においしい』と言われると、疲れも吹き飛びます」と笑顔を見せる。

「東北地方の串焼きといえば鶴崗」と言われる背景には、成熟した産業チェーンがある。鶴崗市串焼き飲食商会によると、かつては屋台で売られていた串焼きは、現在では全国に1200店舗以上を展開し、年間生産額は45億元(約1073億2365万円)に達する。年間約13億本の串焼きが販売され、その長さをつなげると地球の赤道を一周するほどになるという。

鶴崗市の文化観光部門は、「串焼きを食べに来た観光客には、それ以上の楽しみも味わってもらいたい」としている。焼き肉をきっかけに、市内各地の避暑スポットを巡る観光へとつなげ、食事だけで終わらない滞在型の旅行を提案している。

昼は、、中国とロシアの国境を流れる黒竜江の峡谷景勝地「龍江三峡」や金頂山の森林で20度前後の涼しさを満喫し、夜は屋外の焼き台を囲みながら酒を酌み交わす。地元の人びとの気さくな人柄もあり、見知らぬ旅行者同士でも串焼きを数本味わえば自然と会話が弾む。これこそが「初対面でもすぐに打ち解けられる」という鶴崗らしさだ。

豊かな自然が避暑地としての魅力を育み、街角の串焼きが人情味を添える。静と動が調和した夏の観光資源を生かし、国家級避暑観光地である鶴崗市は、串焼き産業の価値を掘り起こすことでナイトタイムエコノミーを活性化させ、ご当地グルメを通じて街の魅力を発信している。(c)東方新報/AFPBB News