YouTubeチャンネル「ホットイシューG」画面キャプチャ(c)MONEYTODAY
YouTubeチャンネル「ホットイシューG」画面キャプチャ(c)MONEYTODAY

【07月17日 KOREA WAVE】悪質なクレーマーへの対応や低い給与、上司からの理不尽な指示に苦悩する新人公務員の日常を描いた韓国の風刺動画が、ネット上で大きな共感を集めている。人気コメディアンのイ・スジが企画・主演したもので、かつて「安定した人気の職業」とされた公務員の過酷な労働実態を浮き彫りにしている。

問題の動画は、イ・スジのユーチューブチャンネル「ホットイシューG」で14日に公開された「公務員キム・ジヨンさんの鉄飯碗(てっぱん=安定した雇用の象徴)を守る」と題した約10分の作品。ドキュメンタリー風の演出で、採用1年目の女性公務員の一日をコミカルかつ痛烈に描いている。公開からわずか4時間で再生回数は19万回を超え、1000件以上のコメントが寄せられた。

◇理不尽なクレーム、非協力的な上司

動画に登場する「キム・ジヨン」の日常は過酷だ。始業前から「涼しそうな格好だ。音楽フェスにでも来たのか」と上司に服装を皮肉られ、窓口が開く前にもかかわらず住民から「税金を払っているのだから、座っているなら早く手続きをしろ」と詰め寄られる。

婚姻届を提出しに来たカップルへの対応では、事務手続き後に「おめでとうございます」と声をかけ、新郎の印象を褒めたところ、新婦が嫉妬。「婚姻届を今すぐ取り消せ」と理不尽な要求を突きつけられる。対応に苦慮して助けを求めるも、上司は見て見ぬふりをしてその場から逃げ出してしまう。

生活の困窮ぶりもリアルに描かれている。物価高の中、外食費を浮かすために持参した弁当を食べるジヨン。残業を重ねてようやく振り込まれた1カ月の給与は、約20万ウォン(約22万円)をわずかに超える程度だった。さらに「公務員が税金で(カフェの)コーヒーを飲んでいる」との苦情を恐れ、お気に入りのコーヒーを自ら職場に持参して淹れる様子も映し出されている。

後半では、若手だからという理由で、本来の業務ではない「自治体PR動画」の企画・出演・編集を丸投げされ、ダンスやラップに挑みながら「行政の勉強ではなく、芸の練習をしておけばよかった」と自嘲する場面も描かれた。

◇「実際は動画よりもっと厳しい」

かつて韓国では、終身雇用が保障された公務員は「神の職場」とも呼ばれ、高い人気を誇っていた。しかし近年は、低い初任給や硬直した組織文化、過度なカスタマーハラスメント(カスハラ)などを理由に、若手の離職が深刻な社会問題となっている。動画は最後に「それでも年金のため、今日も耐える」とのナレーションで締めくくられる。

動画を見たネットユーザーからは「誇張ではなく、これがリアルだ」「現役の公務員だが、実際は動画よりもっと厳しい実態がある。取り上げてくれて感謝したい」など、共感と切実な声が相次いでいる。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News