2026年7月15日、京畿道城南市の牡丹市場にある犬肉料理店。初伏の書き入れ時にもかかわらず、店内の半分ほどが空席だった (c)MONEYTODAY
2026年7月15日、京畿道城南市の牡丹市場にある犬肉料理店。初伏の書き入れ時にもかかわらず、店内の半分ほどが空席だった (c)MONEYTODAY

【07月16日 KOREA WAVE】「1990年代には1日240人分を売ったこともありました。犬肉はもう歴史の中に消えていくのでしょう」

初伏を迎えた15日の昼、韓国・京畿道城南市の牡丹市場にある犬肉料理店街は閑散としていた。かつて伏日には身動きが取れないほど混雑したが、客が入っているのは一部の店だけで、多くの店では空席が目立った。ショーケースに並んだ加工済みの犬肉も売れ残っていた。

2026年夏の伏日は、犬肉販売が事実上認められる最後の書き入れ時となる。2024年に制定された「犬の食用目的の飼育・食肉解体・流通などの終息に関する特別法」の猶予期間が終わる2027年2月7日から、食用目的の犬の飼育、食肉解体、流通、販売が全面的に禁止される。

牡丹市場周辺で40年間、犬肉料理店を営んできた64歳の店主は「きょうの売り上げが150万ウォン(約16万5000円)ほどになれば幸いだ」と話した。客が多かった以前の伏日に比べ、売り上げは70%以上減ったという。

店主は兵役を終えた後、犬肉を運ぶトラックの運転手として働き始めた。納品先の犬肉料理店が繁盛する様子を見て、自ら店を開いたのが40年前だった。

牡丹市場の犬肉料理店街が最も栄えたのは、1990年代の盆唐ニュータウン開発期だった。店主は「当時は1日に犬肉240人分を売るほど客が多かった」と振り返った。

しかし、犬食に対する認識の変化で客が減り、犬肉の価格も大幅に上昇したため、経営が難しくなったという。

牡丹市場ではこの日、犬肉が1キロ当たり4万5000~5万ウォン(約5000~5500円)で販売されていた。犬食終息法の施行後、全国の犬飼育農場が1537カ所から272カ所へ約82%減り、供給量の減少で価格が2倍以上に上昇した。

店主は「犬肉は歴史の中に消えていく。犬肉料理の盛衰を見てきた者として寂しい」と語った。そのうえで「私は引退しても構わないが、若い商人たちが今後どう生計を立てるのか心配だ」と話した。

一方、最後の伏日商戦を前に、一部の有名店には客が訪れていた。午前11時30分ごろ、ソウル市鍾路区の犬肉料理専門店前には行列ができた。

60代の男性客は「普段は好んで食べるわけではないが、友人がぜひ行こうというので来た」と説明。「犬肉に否定的な人が多いと思っていたので、客の多さに驚いた」と話した。

50代の店関係者は「60年前に大田で始まった店で、評判が広がり、今も客が訪れている」と述べた。一方で「来年から犬肉料理を販売できなくなるため、客の需要にどう応えるか悩んでいる」と語った。

犬肉の代替食材としては黒ヤギ肉が挙げられている。政府も犬食終息法の施行後にヤギ肉の需要が増えたことを受け、2026年2月に新品種の開発や生産性向上計画を発表した。生産基盤の整備などは2029年まで進められる。

ただ、商人からは慎重な声が出ている。ある店主は「犬肉は高くても買って帰る客がいるが、黒ヤギ肉は臭いが強く、家庭で調理するケースは少ない」と説明。食肉解体や運送の費用も高く、販売量と利益の双方が期待に届かないという。

店主は「黒ヤギ肉が犬肉を完全に代替することは難しい。店を畳んで別の仕事を探すことになるかもしれず、悩みが大きい」と話した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News