【7月16日 AFP】ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、経営難に陥っているドイツの自動車工場を中国の自動車メーカーが買収することについて反対しない意向を示したものの、それが自動車業界が抱える問題の長期的な解決策にはなり得ないと警告した。

ドイツの基幹産業である自動車業界は、欧州での需要低迷、米国による関税、そして中国との激しい競争といった課題に直面し、苦境に立たされてる。

その雇用は縮小しており、大手フォルクスワーゲンのオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は13日、すでに合意されている5万人の人員削減に加え、さらに最大5万人の追加削減が検討されていると従業員に明かしていた。

多くの国内自動車工場が稼働能力を下回って操業しているため、急成長する中国のメーカーが生産ラインの一部を利用したり、完全に買収したりする可能性があるとの見方もある。

BYDのような中国の電気自動車メーカーは、欧州での事業拡大に伴い、生産拠点を求めている。

中国による工場買収の可能性について問われたメルツ氏は「これを受け入れるかどうかは、個々の企業が判断すべきことだ」としつつ、「私はそれを緊急避難的な措置とは見なしているが、われわれ自身の構造的な問題に対する解決策だとは考えていない」と言い添えた。

一方でメルツ氏は、中国が自国通貨の「元」を不当に安く設定しているとされる問題についても非難し、それによって中国の輸出製品が海外で安く出回っていると指摘した。

「欧州の視点から言えば、通貨が25%から30%も過小評価されているパートナーと競争しなければならないという状況を、長期的に受け入れることはできない」と述べた。

「われわれがここでどれほど努力したとしても、この状況が是正されなければ、非常に多くの輸入や(政府の)補助金を受けた製品などを通じて、常に不利益を被り続けることになる」(c)AFP