右から2人目がキム・ジェリョン(金才龍)氏(c)news1
右から2人目がキム・ジェリョン(金才龍)氏(c)news1

【07月11日 KOREA WAVE】北朝鮮のキム・イルソン(金日成)主席死去32年に合わせた錦繍山太陽宮殿の参拝行事に、先月の朝鮮労働党全員会議でほぼすべての役職から解任されたキム・ジェリョン(金才龍)元党組織書記兼組織指導部長が姿を見せた。北朝鮮最高指導部が勢ぞろいする追悼行事にキム・ジェリョン氏が通常通り出席したことで、解任にもかかわらず政治的立場を失わず、すぐに特定の職務に再起用されたとの見方が出ている。

キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記はキム主席の命日にあたる8日午前0時、党・政府・軍の高官らとともに平壌の錦繍山太陽宮殿を訪れて参拝した。

労働新聞が報じた写真を見ると、キム・ジェリョン氏は、キム・ヨジョン(金与正)党総務部長、チェ・ソンヒ(崔善姫)外相、ノ・グァンチョル(努光鉄)国防相らとともに2列目に姿を見せた。この位置は党の中核意思決定機関である政治局で、常務委員に次ぐ委員や候補委員が立つ場所であり、キム・ジェリョン氏の政治的地位が依然として高いことを示している。

1959年生まれのキム・ジェリョン氏は、キム・ジョンウン体制で大きな浮き沈みなく中核ポストを維持してきたエリートの一人だ。北朝鮮の軍需の中核地域である慈江道で評価され、慈江道党責任書記を務めた後、2019年に首相に抜てきされ注目を集めた。

その後、党幹部の規律や人事関連情報の収集を統括する組織指導部長、規律組織である中央検査委員長、幹部部長、規律調査部長などを歴任し、「死神」との異名を取ったこともある。

キム・ジェリョン氏は2月末の第9回党大会で党組織書記兼組織部長に任命され、キム総書記からかなりの信任を得ていることを示した。政治局常務委員と国務委員会委員も務め、国会議長にあたる最高人民会議常任委員長に移った「ナンバー2」チョ・ヨンウォン(趙甬元)氏の役割を代行するとの見方も出ていた。

しかし任命から4カ月後の6月の党全員会議で、組織書記、組織部長、政治局常務委員などをすべて解任された。北朝鮮は全員会議で、朝鮮人民軍総政治局組織副局長のパク・ヒチョル少将の不正問題を重要議題として扱ったと明らかにしており、党内規律問題を担当していたキム・ジェリョン氏も責任を問われたとの見方が出ていた。

任命から4カ月で中核ポストをすべて失ったため、一部では回復不能な「粛清」の対象になったとの見方もあった。

ところが、キム・ジェリョン氏が全員会議直後、キム総書記が出席した5000トン級駆逐艦「崔賢」号の就役式に出席していたことが確認され、全面解任にもかかわらず粛清されてはいないことが明らかになった。北朝鮮で粛清対象になったり重い懲戒を受けたりした人物は、最高指導者の行事に出席できないためだ。

キム・ジェリョン氏の立場を判断する手がかりは、北朝鮮官営メディアの全員会議結果報道にある。労働新聞は先月23日の報道で、キム・ジェリョン氏の解任が「職務変動」によるものだと伝えていた。北朝鮮メディアでこうした言及が出たのは今回が初めてだった。

多くの専門家は、こうした報道にもかかわらず、キム・ジェリョン氏が問責性の更迭対象になった以上、しばらく公開活動を控えると予想していた。しかしキム・ジェリョン氏がすぐにキム総書記の公開活動に同行し、北朝鮮が前例のない人事を実施したことが改めて確認された。

キム・ジェリョン氏が現在どのポストに就いているかは確認されていない。キム・ジェリョン氏が退いた党組織書記と組織指導部長には前任者のチョ・ヨンウォン氏が「復帰」しており、党内にどの空席があるのか直ちには把握しにくい状況だ。

キム総書記は先代指導者と異なり、執権初期の大規模粛清以降、目立った粛清を控えている。その代わりに、懲戒後の再起用を繰り返しながら幹部の緊張感を高め、継続的な成果を迫っている。

韓国・慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「キム・ジェリョン氏の事例のように、解任後に一定期間を置いて再登用する方式はキム・ジョンウン体制で何度か確認された。錦繍山太陽宮殿参拝でキム・ジェリョン氏が姿を見せた以上、近く何らかの形で再起用の事実が公式に確認される可能性が高い」と分析した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News