約21万円払って返ってきたのはAI作文
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【7月16日 東方新報】高考(大学入試)の志望校選びを支援するコンサルティングサービス市場が活況を呈する一方で、不適切、さらには違法な営業行為も相次いでいる。中国メディア・工人日報(Workers' Daily)の取材では、一部の業者がAIで作成したテンプレートをそのまま顧客に渡したり、「志望校に合格できなければ全額返金」と約束しながら、実際には返金に応じないケースが確認された。
中国教育部もこのほど注意喚起を行い、「高考志望校プランナー」といった国家資格は存在せず、「内部情報」や「内部データ」と称するものも存在しないと指摘した。高額な「志望校プランナー」は誇大広告にすぎないとして、受験生や保護者に警戒を呼び掛けている。
北京市第三中級人民法院が公表した事例では、ある受験相談会社が「志望校に合格できなければ返金する」と説明し、保護者は3980元(約9万5291円)でサービスを購入した。しかし、会社の提案に従って96校を出願したにもかかわらず、すべて不合格となった。その後、業者は契約書を理由に返金を拒否したが、裁判所は約束通り返金すべきと判断した。
2025年度受験生の保護者、林春霞さんも苦い経験をした。子どもは530点余りを獲得し、インターネット上で「1点たりとも無駄にしない」という広告を見て、最高額となる8800元(約21万694円)の「フルサポートプラン」を契約した。しかし、届いた提案書には未削除の空欄が残り、文章も無料AIが出力する内容とほとんど同じだったという。
AI関連の仕事に携わる林(Lin)さんは、ある学科について質問した際、担当者が「少し調べます」と曖昧に答えたことから、「結局AIに聞き直しただけだろう」と感じた。契約で約束されていた「他の受験生の志望動向に応じたデータ更新」も、一度も行われなかったという。
また、虚偽広告の疑いもある。2024年度受験生の保護者、趙偉光(Zhao Weiguang)さんは、「内部ルートで広東省の公立大学に確実に入学できる」と勧誘され、5000元(約11万9712円)の手付金を支払った。ところが、業者が紹介した「学校内部募集ルート」は一般本科ではなく、自学試験本科のコースだった。趙さんが大学の公式サイトを示して指摘したところ、ようやく返金に応じた。
取材では、「AIで作成した内容を独自データベースと偽る」ことが、一部業者の典型的な手口になっていることも分かった。教育情報サイト「教育在線」の江愛萍副編集長は、具体的な質問をしたり、AIの回答と比較したりすれば、担当者の専門性はある程度見極められると指摘する。本当の専門家であれば、受験生の適性や将来性を踏まえた個別の提案ができるはずだという。
北京沢盈法律事務所の林屾(Lin Shen)弁護士は、契約で「専門家によるオーダーメード」とうたっていながら、実際にはAIのテンプレートを納品したのであれば契約違反に当たると指摘する。AIはデータ更新の遅れや画一的な提案により、出願先が集中して不合格となるリスクもあり、その負担は最終的に受験生側が負うことになる。
林弁護士は、契約前に「ビッグデータ」「AI」「内部データ」といった曖昧な表現だけで宣伝していないか、データの出所や分析方法を明確に説明しているかを確認すべきだと助言する。民間サービスを利用する場合は、口頭での約束をすべて契約書に盛り込み、サービス内容、成果物、返金条件、責任範囲などを明確にする必要があるという。
一方、江氏は「最も信頼できる進路プランナーは、受験生本人と保護者だ」と話す。各省の教育試験院が公表する出願ガイドや教育部の「陽光高考」情報プラットフォームなどを活用し、子どもの興味や将来の目標を踏まえて進路を考えることが重要だとしている。
契約書や支払い記録、広告、チャット履歴などは証拠として保存しておく必要がある。被害を受けた場合は消費者ホットライン「12315」への通報や、仲裁・訴訟による救済を検討できる。
林弁護士は、大学名を無断使用したり、詐欺的な勧誘を行ったりした場合は、中国民法典に基づき契約の取り消しや解除、損害賠償を請求できると説明する。ただし、取り消し権は事実を知ってから1年以内に行使しなければならない。
江氏は最後に、「お金で買えるのは進学プランであって、子どもの将来ではない」と強調した。外部サービスはあくまで情報収集の補助として活用し、冷静に判断することが重要だとしている。(c)東方新報/AFPBB News