【7月9日 AFP】米国人の男が日系人のような偽名を使い、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の図書館が所蔵する古文書を精巧な偽物とすりかえて盗んだ事件で、男が重要な美術品の窃盗罪を認めたのを受け、裁判所が8日、自宅軟禁1年、保護観察3年を言い渡した。

米司法省によると、ジェフリー・イン被告(39)は複数の偽名を使い分け、UCLAの図書館が所蔵する古文書の閲覧許可を得ていた。古文書の中には600年以上前のものも含まれていた。

イン被告は、古文書を借りて数日後に偽物を返却していた。イン被告はその工程の後、頻繁に中国へ渡航していたという。

UCLAの図書館システムが貴重な中国の古文書が複数紛失していることに気づき、一連の捜査から、紛失した古文書を最後に閲覧した人物が「アラン・フジモリ」と名乗る訪問者であったことが判明した。

当局によると、こうした希少で価値の高い作品を借りるには、事前に予約する必要があるという。

イン被告が滞在していたロサンゼルス近郊のホテルを捜索したところ、貸し出されていた古文書と同じ様式の白紙の本と蔵書管理用ラベルが見つかった。これらを組み合わせて本物の代わりに図書館に返却する「ダミー本」を作成していたとみられる。

サンフランシスコ・ベイエリアのフリーモント出身のイン被告は、複数の名義の図書館カードを所持していることも判明した。

イン被告は、中国の清朝時代に遡る17世紀の古文書を盗んだ罪1件について有罪を認めた。

中国は世界で最も急速に成長している美術市場の一つで、政府公認の美術館が急増する一方で、民間市場も活発化している。背景には、裕福かつ愛国的になった中産階級が、国の文化遺産を取り戻そうとする動きがある。(c)AFP