【7月9日 AFP】ポーランドの保守ナショナリスト、カロル・ナブロツキ大統領は8日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した後、ウクライナが第2次世界大戦期にポーランド人虐殺に関与したウクライナ民族主義組織「ウクライナ蜂起軍(UPA)」関連のシンボルを使用することは、ウクライナの将来的な欧州連合(EU)加盟を制限すると警告した。

両首脳はトルコの首都アンカラで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせて会談した。

ポーランドとウクライナの間では、第2次世界大戦期のUPAによるポーランド人虐殺をめぐって外交的対立が泥沼化している。ポーランド側は、UPAがポーランド人10万人以上を虐殺したとしている。

ナブロツキ氏は記者団に対し、「ウクライナにとってもポーランドにとっても、ロシア連邦が依然として最大の脅威であることに変わりはない」と指摘した。

だが、ゼレンスキー氏との間で、ポーランド国会が「ジェノサイド(集団殺害)」と認定している第2次大戦期のUPAによるポーランド人虐殺に関する「歴史問題の解決には至らなかった」と付け加えた。

ナブロツキ氏は、UPAの指導者の一人ステパン・バンデラに言及し、「この問題がポーランド人にとって非常に重要であることを踏まえれば、バンデラ派(UPA)の旗がウクライナの将来的なEU加盟を制限することになると、ウクライナ側が理解してくれることを期待する」と警告した。

ゼレンスキー氏は会談後、X(旧ツイッター)への投稿で、両首脳が「対話を継続することで合意した」と述べた。

ポーランドとウクライナの関係は5月末、ゼレンスキー氏がUPAにちなみ、ウクライナ軍特殊部隊を「UPAの英雄たち」と命名したことで冷え込んだ。

これに対しナブロツキ氏は、ゼレンスキー氏に授与されたポーランド最高位の勲章「白鷲勲章」を剥奪した。

ポーランドは、ウクライナへの軍事・人道支援物資の輸送の大部分を担う「ハブ」として機能し続けており、ドナルド・トゥスク首相率いる親欧州派の政府は、この対立の沈静化を呼び掛けている。(c)AFP