AIで揺れる中国映像業界
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【7月13日 東方新報】中国の若手人気俳優・董子健(Dong Zijian)と劉昊然(Liu Haoran)がイベントで「仕事ください」と呼びかけた一方、短編ドラマ俳優の張小磊(Zhang Xiaolei)は農業用ハウスでパプリカを収穫していた。かつて短編ドラマで『霸道総裁』役を演じ、日給6000元(約14万3000円)を得たこともあったが、今年の春節(旧正月、Lunar New Year)後に仕事が急減。出演料も大きく下がり、4月には青海省(Qunghai)に戻って野菜栽培を始めた。
人気俳優が失っているのは理想的な役や機会かもしれないが、無名俳優にとっては生活そのものに関わる。短編ドラマ業界では、AI動画技術の進化やプラットフォームの保証制度縮小により、制作現場が急速に冷え込んだ。横店では、端役一つに100人以上が応募する状況もあり、多くの俳優が仕事を待ち続けている。
映画や長編ドラマの市場も縮小している。今年の春節商戦とメーデー(労働節)商戦の映画興行収入はいずれも前年同期比で大きく減少し、ドラマの新規撮影本数も減っている。投資側は以前より慎重になり、3000万元(約7億1500万円)を超えるプロジェクトでも資金調達が難しくなっている。
そこにAIの波が重なった。映画やドラマでは、AIが企画段階のコンセプト設計や視覚効果に使われ始めている。特に短編ドラマでは影響が大きく、AI制作によりコストは実写の10分の1以下になることもある。2026年第1四半期に公開された短編ドラマのうち、AI制作作品は95%超を占め、実写短編ドラマの撮影開始本数は前年同期比で75%減少した。
一部の現場では、背景の群衆をAIで作り、実際の俳優は数セリフだけを担当するケースもあるという。エキストラや中堅以下の俳優からデジタル肖像権を買い取り、AI学習に使う制作会社も出ている。
ただし、業界に希望がないわけではない。人気原作や有名シリーズ、有名監督・人気俳優をそろえた作品でも失敗が増える一方、低予算映画が口コミでヒットする例もある。関係者は、業界が冷え込む今こそ、内容そのものに立ち返るべきだと指摘する。観客の良質な作品への需要は消えていないが、単純な套路では心を動かせなくなっている。
最近では、中国最大級の映画・ドラマ撮影基地として知られる浙江省(Zhejiang)の横店(横店影視城)の撮影現場にも少しずつチームが戻り始めた。張小磊にも出演依頼が増えつつあるが、今は畑仕事が忙しいという。かつての忙しかった日々を振り返り、彼は「当時もっと休まず働いて、もっと稼いでおけばよかった」と笑った。(c)東方新報/AFPBB News