旅行でも移住でもない 若者が上海に集まる理由
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【7月12日 東方新報】朝、上海市・武康路のカフェでは、フィンランド出身のデザイナー、エマさんがパソコンを開き、ヨーロッパのチームとオンライン会議を始める。午後には、1995年以降生まれのフリーライター、林夏(Lin Xia)さんがパソコンを持って街の公共スペースへ向かい、無料のWi-Fiと空調を利用して仕事を進める。夕方になると、上海・金山区の「デジタルノマド国際村」に滞在する若者たちはリモートワークを終え、池のほとりを散歩しながら交流を楽しむ。
こうした、リモートワークと現地での生活を両立する「軽旅居(短期滞在しながら暮らすように過ごすスタイル)」が、国内外の若者の間で広がっている。上海は高い国際性や充実したインフラ、多彩な文化環境を背景に、「軽旅居」の人気都市の一つとなっている。滞在期間は1週間から半年ほどで、短期旅行ではなく、上海の暮らしをじっくり体験する新しいライフスタイルとして定着しつつある。
上海市政府の顧問を務める顧暁敏(Gu Xiaomin)氏の調査によると、「軽旅居」を目的に上海を訪れたい人のうち、すでに1か月滞在した人が30%と最も多く、今後6か月以内に体験を予定している人は21.03%だった。また、利用者の62%は26~40歳のフリーランスだった。
上海師範大学(Shanghai Normal University)の馮翔(Feng Xiang)教授は、海外のデジタルノマドが上海を特に好む理由として、滞在コストよりも、活気ある街並み、安定したインターネット環境、多様性と包容力のある都市文化を重視している点を挙げる。
スペイン出身の写真家カルロスさんは、「上海の魅力は多様性と包容力にある」と話す。本場の焼き小籠包を味わえる一方で、パリに劣らないカフェ文化も楽しめ、高層ビルが立ち並ぶ都市景観と昔ながらの路地が共存している。さらに、高速鉄道を利用すれば長江デルタ地域の各都市へ数時間で移動でき、週末旅行にも便利だという。
一方、上海では中心市街地と郊外農村部の双方で「軽旅居」の受け入れが進んでいる。黄浦区や徐匯区、静安区では歴史ある路地や人気エリアに滞在する人が多く、郊外では上海初のデジタルノマド国際村として知られる金山区漕涇鎮・水庫村が注目を集めている。2024年8月の開設以来、20以上の国・地域から2000人を超える応募があり、380人以上の起業家が入居した。
「軽旅居」の広がりは、消費の拡大や人材交流、イノベーションの活性化にもつながっている。顧氏は、こうした流れを定着させるため、滞在しやすい都市環境の整備や、「軽旅居」拠点の整備、宿泊やビザ、文化体験などを一体化したワンストップサービスの充実が必要だと提言している。(c)東方新報/AFPBB News