[KWレポート] 韓国を動かす「新有権者」20〜30代女性のリアル (1)…「政治揺らす」キャスティングボート
このニュースをシェア
【07月05日 KOREA WAVE】あの夜、広場では歌が一票のように見えた。2度の大統領弾劾と違法な非常戒厳。怒った20~30代女性たちは少女時代の「また巡り逢えた世界」を歌いながら広場を埋めた。この曲は民主主義を守る新世代の歌だった。進歩(革新)系与党「共に民主党」は、それを民主進歩陣営への応援歌だと疑わず信じた。
本当にそうだったのか。6月3日の統一地方選挙結果は、その信念に本質的な疑問を投げかけている。20~30代女性は「共に民主党」を支持してから背を向けた離脱者なのか。それとも、韓国政治がまだ届いていない「新しい世界」を、真っ先に問い始めた新しいタイプの有権者なのか。
こうした疑問をもとに、オンライン広場の「2030タマンセ」と向き合った。
「タマンセ」とは、伝説的なK-Popグループ「少女時代」のデビュー曲「また巡り逢えた世界(タシ・マンナン・セゲ)」の頭文字を取った略称。ここから転じて「2030タマンセ」は「激動の韓国政治を動かす主役となった20~30代の女性有権者グループ」を象徴するようになった。
2024年12月の「非常戒厳」宣布直後の1カ月と、2026年6月3日の統一地方選挙直前の1カ月について、主要コミュニティや政治ユーチューブ、SNSコンテンツとコメントなど計12万6584件の膨大なデータを集めた。これを人工知能(AI)ツールで精密に分析し、20~30代女性の政治的発言の方向と温度を読み取った。
2冊の分析報告書は「20~30代女性は共に民主党の固定支持層だった」という検証されていない前提を大きく揺るがした。誤差を考慮しても、2030タマンセが「民主党陣営に属したことがなかった」ことを示す指標は明確だった。彼女らは戒厳の夜には審判を、選挙期間には検証を、それぞれ実行しただけだった。特定政党への白紙委任はなかった。
もし彼女らが「共に民主党」の固定支持層なら、危機時でも平時でも結集するはずだ。しかしデータが示した方向は予想外だった。非常戒厳直後の1カ月間、20~30代女性と推定される「政治発言」のうち「反・国民の力(最大野党)」は全体の74.1%に達し、審判の意思は明確だった。ところが「親・民主党」は15.0%にとどまった。40~50代女性の33.2%と比べても半分に満たない。怒りがそのまま「共に民主党」支持に転換されたわけではなかったという意味だ。
代わりに彼女らは、選択の瞬間である選挙で集まった。統一地方選挙直前の1カ月間、20~30代女性の「親・民主党」発言比率は47.6%に急上昇した。平時と危機には審判と支持を区別し、選択の局面で結集したことになる。政党ではなく、事案や争点ごとに判断し、結集と分離、再結集を繰り返す「キャスティングボート」の典型的な軌跡だ。もともと民主党支持傾向だったなら、戒厳直後の「親・民主党」15.0%という状況は説明しにくい。
2030タマンセの「共に民主党」支持は、忠誠ではなく戦略的選択に近いという結論になる。追求する価値に近い勢力と、その都度、契約する方式だ。特定政党が「味方」だと信じていても、自動更新が保証される契約ではない。
20~30代女性有権者の選択は、今回の地方選挙後、政界とメディアの最大の関心対象となっている。次期トップ争いが過熱する「共に民主党」など与党内でも、若者政策と若い世代の投票行動分析が話題だ。結論として、20~30代女性は「共に民主党」を裏切ったことはない。もともと民主党に属していなかったためだ。韓国政治が一度も出会ったことのないタイプの有権者、真のキャスティングボートの登場だ。非常戒厳と弾劾、大統領選と地方選を経て、「タマンセ」が「ニュー・タマンセ」へ進化しただけだ。
女性の政界進出の促進を目指す社団法人「韓国女性議政」(Korea Women’s Parliamentary Network、KWPN)のパク・ヨンソン常任代表は「20~30代女性は政党の看板だけを見て投票せず、実質的に自分たちの生活を変えられる政策と公約を綿密に見たうえで票を投じる。20~30代女性が政界に投げかけるメッセージは決して軽くない」と述べた。
調査は、マネートゥデイ「the300」と韓国女性議政の依頼により、オクソポリティクスが実施した。オンラインコミュニティ18ソースから12万6584件を確保し、そのうち1万3634件をAIでラベリングした。投稿ごとに感情、政治陣営、主題、重視する価値観を表すキーワード、候補選択基準、作成者の性別・年齢の手がかりまで六つの次元で分析し、異なるラベラー3人の結果を交差検証した。別途、ユーチューブコメント80万9000件も確保し、追加で活用した。
(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News