【7月1日 AFP】中国で1日、「民族団結進歩促進法」が施行された。少数民族の自由を脅かす恐れがあるとして、台湾や国連、人権団体などが批判していたが、中国は施行に踏み切った形だ。

民族団結進歩促進法は、公用語としての中国語(標準中国語)の地位を強化するなどして、各民族間に「共通の」国家アイデンティティを築くことを目的としている。

しかし、海外の活動家らは、この法律により、ウイグル族やチベット族といった少数民族の権利がさらに損なわれることになると主張。また、国内外を問わず、同法に違反すれば法的責任を問われ得るとされていることから、政府に国外の反対派を標的にするさらなる口実を与えるものだと指摘している。

アムネスティ・インターナショナルで地域副ディレクターを務めるサラ・ブルックス氏は6月30日、この法律は「中国共産党への政治的・思想的な同調」を要求するものであり、「強制的な同化政策をさらに制度化するものだ」と述べた。

ブルックス氏はさらに、「中国当局には少数民族のコミュニティとその文化を保護する人権義務があるが、この法律はその逆を行っている」と批判し、各民族に対して「国家が定義した単一の国家アイデンティティ」を採用するよう迫るものだと警告した。

一方、中国政府側は少数民族に対する人権侵害への関与を一貫して否定しており、国内の治安維持や経済発展に関する政策によって、すべての民族が恩恵を受けていると主張している。

台湾は1日、この法律に対して「強い非難」を表明。同法が「わが国や他国の国民に対する脅迫や威嚇を拡大するものだ」とした。

台湾の外交部(外務省に相当)は、「今後はどの国の個人であっても、その言動が中国にとって受け入れがたいものであれば、この法律の標的となり、追及を受ける可能性がある」と指摘した。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のボルカー・ターク高等弁務官は、この法律の撤廃を求めており、「言語、教育、宗教の実践、文化、表現、集会の自由に対する制限をさらに深めるリスクがある」としている。(c)AFP