【7月1日 AFP】米連邦最高裁判所は6月30日、米国で生まれた子どもに自動的に国籍を与える「出生地主義」を制限するドナルド・トランプ政権の試みを違憲で無効と判断した。トランプ氏の看板政策である不法移民対策にとって打撃となった。

トランプ氏は昨年のホワイトハウス復帰初日、米国に不法滞在している親や短期ビザ(査証)で滞在している親から生まれた子どもは、自動的に国籍を与えられないと規定する大統領令に署名した。

だが、最高裁判事9人のうち、ジョン・ロバーツ長官を含む保守派3人とリベラル派3人全員が大統領令を無効と判断した。

連邦地裁と高裁は、合衆国憲法修正第14条の「市民権条項」に基づき、米国で生まれたほぼすべての人は米国民だとして、大統領令を差し止めていた。

最高裁はこの下級審の判断を支持。ロバーツ長官らは多数派意見で、「不法に、あるいは一時的に滞在している親から米国で生まれた子どもは、米国の『管轄権に服するもの』であり、合衆国憲法修正第14条の市民権条項に基づき、出生と同時に市民となる」と指摘した。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「わが国にとって悪いことだ」と最高裁判断を批判。

共和党が多数派を握る議会に対し、「わが国にとって高コストで不公平な出生地主義を終わらせるための取り組みを、今すぐ始めるべきだ」と促した。

さらに、「彼ら(議員たち)は私の完全かつ全面的な支持を得ることになるだろう!」と付け加えた。

トランプ氏による出生地主義を廃止しようとする試みは、何百万人もの不法移民の強制送還や、十数か国の国民に対する一時保護資格(TPS)終了などを含む、移民を制限するための広範なキャンペーンの一環。

最高裁での口頭弁論の際、政権側のジョン・ザウアー長官は、無制限の出生地主義が不法移民や、外国人が子どもに米国籍を与えようと出産だけを目的に米国にやってくる「出産旅行(バース・ツーリズム)」を助長していると主張していた。(c)AFP