【6月24日 AFP】オーストラリア・シドニーのクージービーチでサメに襲われ重体となったオーストラリア人女性が、人工的な昏睡(こんすい)状態から一時的に目覚め、家族に対して「愛している」と言葉を掛けた。女性の兄が明らかにした。

リハビリとケアを支援するために立ち上げられたクラウドファンディングページによると、リア・スチュワートさん(34)は6月13日にサメに襲われて重体となって以降、病院で生命維持装置につながれた状態にあり、腕の切断手術を含む複数回の手術を受けてきた。

兄のジョシュア・スチュワートさんが23日にクラウドファンディングサイト「GoFundMe」のページに投稿した最新情報によると、医師団が鎮静剤を減らし、人工的な昏睡状態から短時間だけリアさんを目覚めさせたという。

ジョシュアさんは、「これにより、リアは事故以来ずっと集中治療室(ICU)で付き添ってきた母と、パートナーのフェルナンドに対し、最初の言葉として『愛している』と伝えることができた。妹が最初に考えたのは彼女の娘のオーガストのことで、無事かどうかを気に掛けていた」と明かし、「これは予想よりもはるかにはるかに早い回復であり、私たちには奇跡のように感じられる。この一週間、私たちの多くが望み、祈り続けてきたことのすべてだ」と付け加えた。

なお、このクラウドファンディングにはすでに49万2000オーストラリアドル(約5520万円)が集まっている。

地元メディアによると、クージー在住で教師をしているリアさんは、5日間にわたる大手術を受けており、今後数週間以内にさらなる手術が予定されているという。

ジョシュアさんは、「リアの前途は多難で、依然として集中治療が続いているが、これは非常に前向きな第一歩であり、妹の長期的な回復への希望を私たちに与えてくれている」と語った。

オーストラリアの専門家らは、海域の混雑化が進んでいることや、海水温の上昇によってサメの回遊パターンが変化していることが、サメに襲われる事故が増加する一因になっている可能性があるとみている。

今年1月には、シドニー・ハーバーで泳いでいた12歳の男児がサメに襲われて死亡。5~6月にはダイバーがサメに襲われる事件が3件発生し、3人が死亡した。

サメと人との遭遇に関するデータベースによると、オーストラリア周辺では1791年以来、サメに襲われる事故が1300件近く記録されており、260人以上が死亡している。(c)AFP