■「われわれがポーランドを守っている」

ナブロツキ大統領の政治的ライバルであるポーランドのドナルド・トゥスク首相は、今回の外交危機の責任はウクライナ側にあるとして、ゼレンスキー氏に対して、命名を撤回するよう求めた。

だが、この要求は、ウクライナ国民を激怒させた。

ゼレンスキー氏は先週末、ポーランドの政治家たちが国内で「政治的得点稼ぎ」を試みていると非難し、彼らが反ウクライナ感情をあおっているとまで主張した。

同氏は21日、ウクライナメディアに対し「私たちが今、ポーランドを守り、欧州を守っている。その逆ではない。ウクライナ兵がポーランドと欧州を守っており、ウクライナ国民が命を落としているのだ」と述べた。

ゼレンスキー氏は先週末、ポーランドから授与された白鷲勲章を返上。これに連帯を示す形で、歴代のウクライナ大統領たちも自身が授与された勲章を返上した。

UPAは、ウクライナの独立を目指す中で、ナチス・ドイツおよび旧ソ連の両方と戦い、1943~1945年、現在のウクライナ北西部ボルイニ州(第2次大戦前はポーランド領)で、ポーランド人民間人数万人を虐殺した。

ゼレンスキー氏は、兵士たちからの要望を受けて軍部隊にUPAにちなんだ名を付けたとして、戦時中は同様の法令に「何百回も署名してきた」と釈明。「私は彼ら(兵士たち)に対し、好き嫌いを言ったことは一度もない」と述べた。

ウクライナ軍の一部には、「反ソ連勢力」としてのUPAのレガシーを引き合いに出す風潮がある。だが、この風潮は、UPAを戦争犯罪人でナチスの協力者と見なすポーランドとロシア両国から批判されている。

ゼレンスキー氏は、ポーランドの政治家たちが来年に予定されている総選挙を前に、今回の対立から国内的な利益を得ようとしていると非難。「社会を過激化させて、この社会的憎悪はどこへ行き着くのか? 支持率だ。これは最悪の結末を迎えかねない政治闘争だ」と警告した。

難民と経済移民合わせて150万人以上のウクライナ人が暮らすポーランドではここ数週間、反ウクライナ的な事件が相次いで発生している。(c)AFP