【6月23日 AFP】欧州連合(EU)の複数の加盟国は22日、クマが人や家畜を襲う事例が増加しているとして、欧州におけるクマの保護ステータスを格下げし、クマについて狩猟規制を緩和するよう求めた。

ルーマニアとスロバキアは、他のEU加盟国に宛てた書簡の中で、クマが人や家畜を襲う事例が増加している原因はクマの個体数が増加していることにあると主張している。

両国では、過去5年間に18人がクマに襲われて死亡し、200人以上が重傷を負った。また、2023年以降、大型肉食動物に殺された馬、牛、羊、ヤギ、豚などの家畜は2000頭以上に上り、多大な経済的損失をこうむっているが、その大半をクマによる被害が占めているという。

クロアチア、チェコ、フィンランドも支持しているこの書簡の中で、両国は「(クマは)生態系の頂点に立つ捕食者で天敵を持たないため、効果的な管理が至急必要とされる」と訴えた。この問題は、22日にルクセンブルクで開催されたEU農相会合で議論された。

今回の要請は、最近のオオカミを対象とした同様の動きに続くものだ。この取り組みは成功を収め、昨年、オオカミの保護ステータスが格下げされた。

両国は書簡で、「ルーマニアとスロバキアは、ヒグマに対しても(オオカミと)同様のアプローチを適用することを求める」と記している。

EUがクマの保護ステータスを変更する手続きを開始するには、加盟国の過半数がこうした提案を支持する必要があるが、環境保護団体はこの動きに反対している。

個体数削減を求める声に直面しているのは、クマだけではない。先月には、EUの9か国が「カワウ」が漁師たちの許容量を越えて魚を食べ過ぎているとして、個体数を削減する必要性に言及した。(c)AFP