■降伏には程遠い

米紙ウォールストリート・ジャーナルはこの合意について、「トランプ大統領の2期目における最大の外交政策上の賭けと広く見なされている」と指摘。共和党の対イラン強硬派は「トランプ氏が得たものよりも手放してしまったものの方がはるかに大きいと批判するだろう」と報じた。

さらに、署名そのものも混乱に陥った模様で、同紙によると、トランプ氏が17日夜に「2度目」の署名を急遽行ったことで一部の側近を驚かせ、今週末に予定されていた公式な署名式の計画が狂ってしまったという。

一方、米紙ニューヨーク・タイムズは、イランが今回の紛争から「大きな成果」を得て立ち直る可能性があると指摘し、覚書は「降伏文書とは程遠い」と述べた。

同紙は、イランが「経済的混乱を武器として利用できることを証明してみせた」とし、2月28日に米イスラエルによる対イラン攻撃で始まった紛争の初期段階に、トランプ氏がイランの体制崩壊の可能性に言及していたことに触れた。

「(体制を崩壊させるどころか)むしろトランプ氏は、イランの新指導部を強化する結果を招いた」と同紙は指摘。さらに悪いことに、イランは核兵器保有の実現に、かつてないほど近づいている可能性があると付け加えた。

さらに、「20年以上にわたり、イランは核爆弾製造の寸前にまで迫ってきたが、決してその一線を越えることはなかった」「しかし、イランの指導部が40日間にわたる爆撃のがれきを撤去し始め、間もなく入って来るであろう何十億ドルもの原油収入の使い道を考える時、彼らは自分たちの核戦略が正しかったと確信するかもしれない」とも述べた。

トランプ氏がかつて連邦政府からの資金援助打ち切りを試みたものの、裁判官によってその命令が阻止された経緯を持つ公共ラジオ(NPR)は、今回の戦闘による人的犠牲の大きさを強調。「世界最強の軍隊が、はるかに弱小でありながらも戦略的に極めて老獪な敵と対峙した戦争だった」と総括した。(c)AFP