中国ロボット、東京とニューヨークに進出
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【6月22日 東方新報】東京・羽田空港(Haneda Airport)で、中国製の人型ロボットが地上業務に加わっている。浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)の宇樹科技(Unitree Robotics)が開発したこのロボットは、日本航空(JAL)とGMO AI&ロボティクス(GMO AIR)が共同で「雇用」した新入社員だ。深セン市(Shenzhen)の優必選科技(UBTech Robotics)の人型ロボット「Walker E」とともに、航空機のけん引や貨物の積み下ろしなどを試行し、日本の人手不足解消を探っている。
中国ロボットの海外進出は急速に広がっている。2025年の中国の人型ロボット完成品出荷台数は約1万4400台で、世界全体の84.7%を占めた。産業用ロボットや清掃ロボットの輸出も伸びており、中国製ロボットは世界市場で存在感を強めている。
こうした動きは、単なる低価格競争ではない。中国の自動配送ロボット大手・雲跡科技(Yunji Technology)の李志偉(Li Zhiwei)氏は、中国企業がサプライチェーン全体の強みと、製品・サービスを組み合わせた総合力で海外市場を切り開いていると見る。一方で、海外で「売れる」だけでなく「定着する」には、法規制への対応、市場の信頼、製品の安定性が欠かせない。
建築ロボット企業「湃特納機器人(Partner Robotics)」は、床タイル施工ロボットとスマート墨出しロボットに製品を絞り、海外市場で成果を上げている。床タイル施工ロボットの作業効率は人手の5〜6倍以上に高まり、総合コストを60%削減できる。2025年時点で商業受注額は1000万元(約2億3689万円)を超え、その55%が海外市場からのものだ。欧米では労働力不足と高い人件費に加え、施工の標準化が進んでいるため、ロボット導入が進みやすい。
庭用芝刈りロボットを手掛ける庫獁科技(Mammotion)も、海外需要を捉えた企業の一つだ。同社はドローン分野のRTK高精度測位技術を取り入れ、従来の境界ワイヤー式の不便さを解消した境界線不要の芝刈りロボットを開発し、一時は無埋線芝刈りロボット市場で世界首位に立った。こうした企業が早期から海外に出られる背景には、珠江デルタや長江デルタを中心とする中国の成熟したサプライチェーンがある。
ただし、海外で売るには技術だけでは足りない。庫獁科技は米国発のクラウドファンディングプラットフォーム・Kickstarterで芝刈りロボット「LUBA」を発表し、最終的に337万ドル(約5億3994万円)を集めた。クラウドファンディングは海外ユーザーに直接届く手段だが、確実な納品と継続的なサービスも求められる。同社は技術スペックだけでなく、「手間を減らす」「箱から出してすぐ使える」といった生活場面に寄せた訴求へ切り替えた。
日本市場では、現地社会に深く入り込めるかが鍵になる。商業用清掃ロボットを手掛ける奇勃科技(iKitbot)は、日本の顧客が低価格よりも安全性とアフターサービスの安定性を重視することを踏まえ、現地の清掃基準や床材、静音性、安全性に合わせて製品を改良した。東京や大阪ではなく、長野、福岡、沖縄など人手不足が深刻な地域から導入事例を積み上げ、現在は売上の90%を海外が占め、日本市場だけで45〜50%に達している。
雲迹科技も、ホテル向け配送ロボットから医療やビル管理など複雑な産業現場へ進出している。タイ・バンコクの病院では、同社のロボットが薬品や検体を運んでいる。ただ、海外ではエレベーター制御やデータ安全など、国内とは異なる課題も多い。同社は市場ごとにサーバー運用やデータ管理の方式を変え、規制の厳しい地域では現地側が独立して運用できる仕組みを採用している。
海外進出企業が増えれば、競争も激しくなる。今後は価格や単一技術だけでなく、ブランド力、アフターサービス、データ安全、国際標準への対応が問われる。中国ロボット企業は、単なる製品輸出から、システム能力とサービスを含めた海外展開へ進もうとしている。(c)東方新報/AFPBB News