【6月16日 AFP】南アフリカ出身のジャズピアニストで作曲家のアブドゥーラ・イブラヒムさんが15日、死去した。91歳だった。

家族は声明を発表し、「イブラヒムは短い闘病生活の後、ドイツにて家族に見守られながら穏やかに息を引き取った」と述べた。

出生名はアドルフ・ヨハネス・ブランド。「ダラー・ブランド」としても知られ、後にイスラム教への改宗に伴い現在の名に改名した。

1934年にケープタウンで生まれ、7歳でピアノを始めた。15歳でプロデビューし、1963年には米ジャズ界の巨匠デューク・エリントンに才能を見出され、世界的な活躍への足がかりを築いた。

一方で、当時の南アフリカの人種隔離政策(アパルトヘイト)に抵抗。反アパルトヘイト運動の指導者ネルソン・マンデラ氏が投獄された1962年に国外へ亡命した。長年、祖国を離れての活動を余儀なくされたが、自身の音楽を通じて祖国との強い結びつきを持ち続けた。

アパルトヘイトが終焉に向かい、マンデラ氏が解放された1990年に帰国。1994年のマンデラ大統領就任式でも演奏を披露するなど、祖国の歴史に深く刻まれた。(c)AFP