【6月25日 CNS】中国国内の自動車販売台数上位10車種のうち、ガソリン車はわずか1車種となり、ガソリン車を買う人は「希少な存在」になりつつある。これが4月の中国自動車市場の実情だ。新エネルギー車の販売が大きく伸びている。

中国自動車流通協会乗用車市場情報聯席分会(乗聯分会)のデータによると、4月の乗用車市場における新エネルギー車の小売浸透率は61.4%に達し、初めて60%を突破した。国内小売市場では、中国自主ブランドの新エネルギー車浸透率が80.1%に達した。

輸出も好調だ。4月の乗用車輸出に占める新エネルギー車の割合は52.7%となり、初めて50%を超えた。乗聯分会の崔東樹(Cui Dongshu)秘書長は三里河中国経済観察の取材に対し、「電動化への移行スピードは予想を上回っている」と述べた。

中国の新エネルギー車の歩みを振り返ると、2019年には約5%だった浸透率が、2022年には25%を突破し、現在は60%を超えている。市場の流れはすでに大きく新エネルギー車へ傾いた。浸透率が急速に上昇している背景には、成長を支える要因の根本的な変化がある。

新エネルギー車の初期成長が政策補助に支えられていたとすれば、現在の伸びは主に市場そのものの力によるものだ。中東情勢の緊張が続き、世界のエネルギー構造が大きく揺れるなか、ホルムズ海峡の航行リスクや原油価格の上昇が、自動車産業の再編を促す一因となっている。

崔氏は「コストへの不安が広がるなか、消費者の需要はガソリン車から新エネルギー車へ急速に移っており、市場ではガソリン車と電動車の二極化がますます鮮明になっている」と分析する。消費者の選択を見ても、電気自動車が候補の一つから第一候補へ変わった理由は、コストだけではない。製品力の高さも大きい。

現在、中国の新エネルギー車は、スマート機能、航続距離、急速充電、車内空間の設計などで、同価格帯のガソリン車に全面的に追いつき、一部では上回っている。消費者はもはや補助金やナンバープレート取得のためだけに新エネルギー車を選んでいるのではなく、実際の使い心地や長期的な価値を重視している。

ある新エネルギー車ブランドのマーケティング責任者は以前、三里河の取材に対し、「ユーザーはなぜ新エネルギー車を買うのか。もはや節約だけが第一の理由ではない。スマート化された体験、先進的な技術感、さまざまな利用シーンでの楽しさ、品質へのこだわりを重視する人が増えている。これは不可逆的な流れだ」と語った。

米大手コンサルタント会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)」が以前発表した中国自動車消費者インサイトでも、中国ブランドは電気自動車分野でのブランド認知度や技術的な先進性について、消費者から高く評価されていると指摘している。全体として、外資ブランドがガソリン車時代に築いた高い評価は、スマート電動車の時代にそのまま持ち込むことは難しくなっている。

国内ではガソリン車と電動車の分化が加速している。海外では、中国自動車の海外展開も「新エネルギー車がけん引する」段階へ進んでいる。中国自動車工業協会が税関総署のデータをもとにまとめたところによると、2026年第1四半期の中国の完成車輸出台数は231万2000台で、前年同期比40.9%増だった。このうち新エネルギー車の輸出台数は95万4000台で、同116.3%増となり、自動車輸出全体の41.2%を占めた。

かつての「低価格で市場を取る」という固定観念とは異なり、中国の新エネルギー車の海外販売価格は、現在では国内価格と同等か、それを上回るケースも多い。これは、その競争力が価格だけに頼るものではなく、スマートコックピット、電池・モーター・電控の三電技術、そしてサプライチェーン全体のコスト管理力に支えられた総合的な優位性に基づいていることを示している。

長い目で見ると、中国の電気自動車が大きく売れていることは、単なる駆動方式の変化や市場シェアの移動にとどまらない。本質的には、自動車の価値体系そのものが全面的に組み替えられているということだ。「エンジン+変速機」の機械の時代から、「電池+チップ+ソフトウエア」のスマートエコシステムの時代へ。自動車とは何か、どう作るべきかという問いが、いま改めて定義されようとしている。

世界の消費者は、実際の購買行動を通じて、その答えを示し始めている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News