【6月6日 AFP】英裁判所は5日、無実の人が冤罪で終身刑を科され17年服役するのを余儀なくされた20年以上前のレイプ事件で、真犯人の男に拘禁21年の実刑判決を言い渡した。

ロバート・ブライト判事は、真犯人のポール・クイン被告(52)に対し、「あなたは無実の男性の犠牲の上に自由を謳歌(おうか)していた」と述べ、2003年の深夜に帰宅中だった若い女性を襲い、レイプした上で絞殺しようとしたとしてレイプ罪で拘禁21年の実刑判決を言い渡した。

クイン被告には6人の子どもがいる。

この事件では、一貫して無実を訴え続けていたアンドリュー・マルキンソンさん(60)が2004年に冤罪で終身刑を言い渡され、17年間服役を余儀なくされた。

マルキンソンさんはDNA型鑑定によって犯人ではないことが証明された後、2020年に釈放された。2023年には控訴院(高裁)によって正式に有罪判決を取り消された。

マルキンソンさんはクイン被告に科された刑について、かつて自身が科された終身刑と比較してあまりにも軽すぎると激しく批判した。

マルキンソンさんは声明で、「この粗暴で堕落した人物(クイン被告)は、私が20年もの間中傷される状況に甘んじてきた。それにもかかわらず、無実の私に科された刑よりも軽い刑が言い渡されたのは、私に対する侮辱だ」と怒りをあらわにした。

■放置された「腐敗」

マルキンソンさんはさらに、「暴力犯罪や性犯罪の前科を持ち、私が刑務所で朽ちていくのに甘んじて自由を謳歌していたポール・クインは、たった14年で仮釈放される可能性があり、21年後には確実に釈放される」と指摘した。

英国では、性犯罪で有罪判決を受けた受刑者は、刑期の3分の2を終えるなどの条件を満たせば仮釈放される。

このレイプ事件は2003年7月19日、イングランド北西部リトルフルトンで発生。被害女性は帰宅中に路上で襲われ、殴る噛む、首を絞めるなどの暴行を加えられて失神させられた上でレイプされた。

ブライト判事は、命を落としかねない長時間の性的暴行について再び法廷で証言した被害女性を「英雄的」と称賛した。

被害女性は弁護士が代読した被害者意見陳述書で、「ようやく正義が果たされた」と安堵(あんど)する一方、「だからといって、二人(被害女性と冤罪被害者のマルキンソンさん)の人生がこのような形で狂わされたという事実は変わらない」と強調。

「あの日の出来事の衝撃は今も私の中にとどまっており、一生消えることはない」と訴えた。

事件当時、マルキンソンさんは近くのショッピングセンターで警備員として働いていた。

被害者や目撃者に対し、容疑者の顔を実際に見せて、犯人であるかどうかを確認させる面通しの際に誤って犯人とされ、グレーター・マンチェスター警察に訴追された。

マルキンソンさんの無罪が確定した後、グレーター・マンチェスター警察のスティーブン・ワトソン本部長は、マルキンソンさんが「長年にわたり塗炭の苦しみを味わったことについて、深くおわび申し上げる」と謝罪した。(c)AFP