【5月29日 AFP】AFPが28日に確認した報告書によると、国連のアントニオ・グテレス事務総長はイスラエルとロシアの治安部隊を紛争下の性暴力(CRSV)の加害者を名指し公表するブラックリストに追加した。

グテレス氏は昨年8月、イスラエルとロシアに対し、同リストに追加する可能性があると警告していたが、近く安全保障理事会の構成国に送付される報告書で、それ以降も「ウクライナでの戦争およびイスラエル占領下のパレスチナ自治区において、性暴力の事例や傾向が引き続き確認された」と指摘している。

報告書によると、グテレス氏の警告にもかかわらず、国連の調査団はイスラエル・ロシア両国の当局から一貫して立ち入り調査を拒否されたという。

これによりイスラエルとロシアは、安保理の議題となっている武力紛争下において「レイプやその他の形態の性暴力の習慣を実施した、またはその責任があると疑うに足る当事者リスト」に正式に追加されることとなった。

報告書はイスラエルについて、「2025年も、イスラエル国内および占領下のパレスチナ自治区で拘束しているパレスチナ人に対する性暴力の習慣が引き続き記録された」と指摘している。

また、国連が確認した事例は複数年にわたる傾向を示すものだが、イスラエルの拘置施設への立ち入りが拒否されていることを踏まえると、これらは「包括的」なものではないとも注記されている。

国連は、こうした性暴力の加害者をイスラエルの兵士、治安要員、刑務官だと名指ししている。

イスラエル側は28日午前、グテレス氏による今回の決定を「恥ずべきものでばかげている」と激しく非難した。この決定により、イスラエルはすでに同リストに掲載されているイスラム組織ハマスと事実上同列視されることになるからだ。

報告書はロシアについて、ロシア国内および占領下のウクライナで、兵士や刑務官が主に戦争捕虜(ほりょ)に対して行った性暴力を強調している。捕虜らは捕虜交換などで解放された後、ロシアの兵士や刑務官に性暴力を受けたと証言した。

報告書はウクライナ人権監視ミッションのデータに基づき、レイプ、性器切除、電気ショックなどを含む、紛争下の性暴力事例310件を引用しており、その圧倒的多数が男性を対象としたものだと指摘している。(c)AFP