【6月4日 CNS】「私は中国の人工知能(AI)の発展を調査した。米国はこの競争に勝てない」。米外交問題評議会の上級研究員セバスチャン・マラビー(Sebastian Mallaby)氏は、「ニューヨーク・タイムズ(New York Times)」への寄稿でこう述べた。また、北京モーターショー(Auto China 2026)期間中、中国の大手自動車メーカー幹部は海外メディアの取材に対し、「今では、米国市場がなくても、われわれは生き残り、成功することができる」と語った。

一見関係のない二つの場面だが、実際には現在の中国経済の活力と底力を映し出している。その活力と底力は、誰の目にも明らかだ。

4月27日、国際格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(Moody's Investors Service)は最新報告を発表し、中国の「A1」ソブリン信用格付けを維持するとともに、見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた。

引き上げの理由は明確だ。中国には、国内外の課題に対応できる経済力と財政力があるということだ。これについて中国財政部は、今回の格付けは、外部からの衝撃の中でも中国のマクロ経済と財政力が強い底力を示していること、また中国経済の質の高い発展に新たな原動力と進展があることを、ムーディーズが高く評価したものだとコメントした。

世界に目を向けると、世界経済には不透明感が漂い、地政学的対立が続き、インフレ懸念は高く、世界的な債務リスクも積み上がっている。一部の国は低成長、高債務、高インフレの困難に直面している。こうした複雑な環境の中で、国際格付け会社の判断は、世界の資本市場に大きな影響を与える。国家信用格付けは、資金調達コスト、海外投資家の信頼、国境を越えた協力に直接関わり、世界が一つの経済体の安定性を判断する重要な物差しでもある。

過去しばらく、一部の海外機関は色眼鏡で中国を見て、局所的な問題を大きく取り上げ、短期的で一面的な視点から先行きを予測してきた。その結果、中国の政策対応力や発展の潜在力を低く見積もり、多くの誤判断を生んだ。しかし、事実は何より雄弁だ。中国を悲観し、過小評価してきた人々は、またしても期待を裏切られることになった。内外の複数の圧力に直面しながらも、中国経済は外部が予想したような成長の限界に陥ることなく、圧力に耐え、一歩ずつ安定して前進している。

今回、ムーディーズが中国の信用格付け見通しを引き上げた背景には、中国経済のいくつもの上向きの曲線が見える。経済成長率は上向いている。第1四半期のGDPは前年同期比5%増となり、2025年第4四半期より0.5ポイント加速し、市場予想を上回った。

ムーディーズも、持続的な経済成長と効果的な債務管理が見通しの安定化を支えていると認め、2026年の中国の実質GDP成長率は4.5%に達すると予測した。これは、政策決定者が構造的課題に対応するための十分な余地をもたらすとしている。経済を支える「三本柱」も好調だった。第1四半期の消費の伸びは前年第4四半期より0.7ポイント加速し、投資の伸びも減少から増加に転じた。輸出入の四半期ベースの伸びも、過去5年で最も高かった。

財政面も安定している。第1四半期の全国財政収入の伸びは、過去3年の同時期で最高となり、財政支出の進み具合も過去5年で最も速かった。財政部のデータによると、第1四半期には、既存の隠れ債務の借り換えに充てる特別債が全国で9604億元(約22兆4943億億円)発行され、年間上限2兆元(約46兆8438億円)の48%を消化した。特別債資金5904億元(約13兆8282億円)も支出され、地方政府の既存隠れ債務の借り換えを力強く支えた。

ムーディーズは、経済支援のために広義の政府債務が増えても、政策決定者は地方政府債務の解消を管理可能な形で進めると見ている。低金利と巨額の国内貯蓄が、債務返済コストを抑えることもできるという。こうした確かな実績があるからこそ、今回のムーディーズによる見通し引き上げは、自然な流れだと言える。

結局のところ、信用見通しの調整は重要な市場の風向きであり、中国経済のガバナンスの成果を示すものでもある。世界的に見ても、複雑な環境の中で信用格付けを安定させ、成長見通しを改善し続けられる経済体は多くない。その中で、中国経済が示す安定性、確実性、開放性は、ひときわ貴重なものとなっている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News