春限定「田植え専用列車」 中国東北でスマート農業支える
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【5月28日 東方新報】中国東北部の黒竜江省(Heilongjiang)では、春の田植えシーズンになると、多くの農業労働者が広大な農地へ向かう。こうした人びとを運ぶため、現地では毎年「田植え専用列車」が運行されている。今年は車内にAIロボットや農業講座も登場し、スマート農業時代に合わせた新たな役割を担い始めている。
5月13日夜、ハルビン東駅から撫遠市(Fuyuan)へ向かうK5153列車の車内では、「今日はAIロボットが農業の質問に答えます」とのアナウンスが流れた。三江平原へ向かう労働者たちは次々と集まり、列車内で農業機械の講座が始まった。
黒竜江省の三江平原は、中国有数のコメ生産地として知られる。春の農繁期には、毎年約4万5000人の労働者が田植え作業のため各地から集まる。中国鉄路ハルビン局集団有限公司は2000年から、黒竜江省の東部・建三江や撫遠方面へ向かう「田植え専用列車」を運行しており、これまでに延べ190万人以上を輸送してきた。
しかし近年、黒竜江省では農業の機械化・スマート化が急速に進んでいる。スマート田植え機や農業用ドローンが普及し、AIやビッグデータも農業生産に導入される中、従来の単純労働は減少し、機械操作や設備管理ができる技能人材の需要が高まっている。
こうした変化を受け、「田植え専用列車」も変わり始めた。今年は中国鉄路ハルビン局集団有限公司が、農業企業の北大荒農墾集団や黒竜江省農墾科学院と連携し、農業をテーマにした特別車両を設置。車内では専門家が、機械化田植えや農業機械のメンテナンスなどを実演形式で説明した。さらに、AIロボットが農業に関する質問へリアルタイムで回答するほか、農業をテーマにした切り紙作品の展示、車内求人会、詐欺防止や権利保護に関する啓発活動も行われた。単なる移動手段ではなく、学びや就業支援の場としても機能している。
鉄道関係者によると、、2013年には1日約6000人が利用していたが、現在は少ない日で1200人程度まで減少した。一方で、利用者は若返り、働き方も大きく変化しているという。
27年間運行されてきた「田植え専用列車」は、中国東北部の農業の変化を映す存在でもある。人海戦術に頼った農業から、AIやスマート機械を活用する現代型農業へ――。列車は今も、春の田植えシーズンを支え続けている。(c)東方新報/AFPBB News