中国中古車大手・淘車車が香港上場申請 累計赤字22億元近く
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【5月20日 東方新報】中古車取引プラットフォームの「淘車車(Yusheng Holdings Limited)」がこのほど、香港証券取引所にメインボード上場を申請した。単独スポンサーはシティグループで、全体コーディネーターはシティグループ(Citigroup)と中信証券(CITIC Securities)が務める。目論見書では、調査会社フロスト・アンド・サリバン(Frost & Sullivan)のデータを引用し、2025年の商品取引総額ベースで、淘車車が中国の中古車取引プラットフォーム首位となり、市場シェアは3.8%だったとしている。
目論見書によると、2025年の淘車車の商品取引総額は155億元(約3583億3055万円)で、前年同期比15.7%増となった。粗利益は6億7900万元(約156億9718万円)、粗利益率は10.2%。2025年末時点で、中国53都市に販売センターを展開している。
一方、収益拡大が続く中でも赤字は続いている。2023年から2025年までの総収入は、それぞれ44億2900万元(約1023億9000万円)、54億7100万元(約1264億7912万円)、66億6200万元(約1540億1278万円)だったが、年間赤字は6億9600万元(約160億9019万円)、5億7400万元(約132億6978万円)、9億1700万元(約211億9929万円)となり、3年間の累計赤字は約21億8700万元(約505億5928万円)に達した。特に2025年の赤字は前年から59.7%拡大した。
収益の中心は中古車小売事業で、2023年から2025年までの売上比率は64.5%、69.2%、65.4%を占めた。販売台数も増加しており、小売事業を通じて販売した車両は3万8300台、5万4000台、7万1200台へと拡大している。
赤字について同社は、2024年には収入の伸びがコスト増を上回ったことで営業赤字が縮小したものの、2025年は株式報酬費用を計上したことで再び赤字幅が拡大したと説明している。
今後の黒字化に向け、淘車車は3つの戦略を掲げている。オンラインとオフラインを一体化した販売ネットワークを拡大し、海外展開も進めることで収益を伸ばすこと、AIによる価格設定システムを活用して在庫回転率と粗利益率を高めること、さらにAIを使った業務自動化と標準化によって運営効率を改善し、コスト削減を進めることだ。
株主構成には大手IT企業が並ぶ。IPO前時点で、易鑫集団(Yixin Group)が44.23%を保有する筆頭株主となっており、騰訊(テンセント、Tencent)が17.49%、京東(JD.com)が2.74%を保有している。創業者の姜東(Jiang Dong)氏は、淘車車の執行董事、董事会主席兼CEOを務める。過去には神州租車(Car)の高級副総裁や広匯汽車服務集団(China Grand Auto%)の副総経理を歴任し、易鑫でも重要ポストを務めた。
目論見書では、テンセントや易鑫、易車などの戦略株主からの支援により、淘車車が幅広いエコシステム資源を獲得していると説明している。同社は易車の中古車チャンネルを独占運営しており、中国最大規模の自動車購入層に直接アクセスできることから、低コストで安定した見込み客を確保しているという。
ただ、淘車車は現在、阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)との商標権侵害訴訟にも直面している。アリババ側は、淘車車が過去に使用していた「淘車」「taoche.com」「TAOCHE」といった名称や標識が、「淘宝」関連商標の権利を侵害していると主張。使用停止と1000万元(約2億3118万円)の損害賠償を求めて提訴した。
2026年3月、一審裁判所は淘車車に対し、「淘車」を含む企業名称と関連標識の使用停止、さらに450万元(約1億403万円)の賠償金支払いを命じた。淘車車は4月に控訴している。これについて淘車車は、「淘車」は一般的・説明的な表現であり、識別性に欠けると主張。また、「淘宝(タオバオ、Taobao)」関連商標とは見た目や発音、意味が異なり、消費者が混同する可能性は低いとしている。
さらに同社は、問題となっているのは過去の標識であり、2023年以降に刷新したブランド「淘車車」は侵害対象から除外されていると説明。「淘車車」の商標登録も取得済みであり、現在の事業運営への影響は限定的だとしている。(c)東方新報/AFPBB News