【三里河中国経済観察】新設の海外国有資産工作局、何が変わるのか
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【5月21日 CNS】国有資産の海外資産に対する監督と発展の考え方が、より高い段階へ進もうとしている。4月8日、国務院国有資産監督管理委員会が海外国有資産工作局を新設したとのニュースが、世論の注目を集めた。中国企業にとって海外展開が重要な発展の流れとなる中、この動きは、国有企業・中央企業の海外進出を制度面から支える重要な一歩と受け止められている。
現在、外部の安全リスクは高まっている。地政学的な衝突が頻発し、貿易保護主義も台頭する中、企業の海外進出を取り巻く不確実性は大きく増している。中国企業研究院の李錦(Li Jin)首席研究員は三里河中国経済観察に対し、近年、中央企業の「海外進出」は加速し、海外投資や資産配置も大きく広がっており、専門的かつ体系的な監督に対する要求が高まっていると述べた。
この点から見ると、海外国有資産工作局の設立は、現在の海外進出企業が直面する課題や痛みに応えるものだといえる。第一に、安全の土台を築くことだ。国有資産の海外資産は、海外における国家利益の延長線上にある存在であり、その安全は国家の経済安全保障やサプライチェーンの安全に直接関わる。
李錦氏は、新機関の設立について、一方では海外利益を守る仕組みの整備に役立ち、「事前の警戒、進行中の管理、事後の追跡」からなる立体的で効率的なリスク防止ネットワークをより強固にできると見る。もう一方では、企業にリスク防止意識と対応力の向上を促し、「海外に出る」前の総合的なリスク評価を確実に行わせることで、協力の方向や方法をよりきめ細かく選び、海外での経営行動を規範化し、リスクの源流管理を強化できるとしている。
第二に、産業配置を整えることだ。「現代国企研究」は以前、国際化経営では「内巻き」、つまり国内での過当競争が海外市場にまで持ち込まれることを避ける必要があると指摘した。政府が全体調整の役割を果たし、部門間の政策調整を強め、戦略的配置を統一し、完全な産業チェーンを形成することで、地政学的変化の影響を抑えるべきだとしている。
新機関の設立は、国務院国有資産監督管理委員会が国家レベルで国有企業・中央企業の海外投資の方向性を統括し、同質化した競争や資源の浪費を避けることを意味する。李錦氏は、海外国有資産工作局が国際化経営と海外資産配置の最適化、構造調整を指導していくと見ている。これは、国有企業・中央企業の海外配置が、今後は戦略主導型へと転換していくことも示している。重要資源、核心技術、重要な輸送ルートなどの分野で、より体系的な配置が進むことになる。
第三に、企業の発展を後押しすることだ。海外国有資産工作局の設立により、国務院国有資産監督管理委員会の内部では、海外関連業務の機能が集約される。外事調整から資産監督、リスク防止から緊急対応管理まで、海外資源を統括・調整し、国境を越えた経営課題を解決し、国際ルールとの接続を進めることで、国有企業・中央企業の海外進出により体系的なサービスと保障を提供する。
これは間違いなく、企業の海外発展を後押しするものであり、中国企業や中国ブランドの海外展開にも深い影響を与える。中国社会科学院経済研究所の黄群慧(Haung Junhui)研究員は、中央企業が海外に出て国際社会と向き合う以上、海外で社会的責任を果たす問題が関わってくると指摘する。この面で中央企業はすでに多くの取り組みを行い、現地経済の発展に大きく貢献してきた。海外国有資産工作局の設立により、中央企業が海外でよりよく社会的責任を果たすようさらに指導でき、中国のイメージ向上にもつながるという。
つまり、新機関は中央企業の「稼ぐ力」だけでなく、「イメージづくり」にも目を向けることになる。国有企業・中央企業が海外で社会的責任を果たすよう指導することで、中国企業の世界的な評価を高め、後に続く海外進出企業の道を開く役割も担う。
国際情勢が複雑に揺れ動く時代において、国務院国有資産監督管理委員会による海外国有資産工作局の設立は、国有企業・中央企業の海外進出に制度上の堤防を築くだけでなく、中国企業が責任ある、持続可能な姿勢で海外展開を進めるというメッセージを世界に伝えるものでもある。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News