シーサンパンナ原始森林公園 保護と観光を両立
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【5月11日 東方新報】中国雲南省(Yunnan)シーサンパンナ・タイ族自治州(Xishuangbanna Dai Autonomous Prefecture)景洪市(Jinghong)近郊にあるシーサンパンナ原始森林公園は、北回帰線より南に広がる熱帯の森林として知られ、観光と生態保護を両立する拠点として注目されている。
朝の園内では、木々の間から差し込む光の中、クジャクが群れで飛び立ち湖面をかすめる光景が見られる。こうした「孔雀放飛」は、公園を象徴する観光プログラムの一つとなっている。
同公園は景洪市中心部から約8キロの場所に位置し、1995年に整備が始まり、1999年に一般公開された。総面積は約2万7025ムー(約1800万平方メートル)に及ぶが、実際に観光客が立ち入れるエリアは約810ムー(約54万平方メートル)に限られており、97%以上の区域は原生状態のまま保たれている。
園内の谷あいには典型的な熱帯雨林が広がり、高さ100メートル近い高木や板根を持つ樹木、つる植物が複雑に絡み合う立体的な植生が見られる。園内には2000種以上の植物が生育しており、ヘゴや雞毛松など長い進化の歴史を持つ植物も確認されている。絞め殺し植物や板根など、熱帯雨林特有の現象も観察できる。
クジャクの放飛イベントでは、人工繁殖・馴化されたクジャクが群れで飛行し、観光客に自然に近い行動を披露する。園内ではクジャク文化をテーマにした展示や歌舞公演も行われており、タイ族やハニ族におけるクジャク信仰などの文化も紹介されている。
また、公園内にはクジャクの繁殖基地が設けられ、科学的な手法によって個体数の維持と拡大が進められている。現在、園内のクジャクは3000羽以上で安定しており、観光資源であると同時に、生物多様性保護にも寄与している。このほか、園内の愛伲山寨では、ハニ族の支系である愛伲人の伝統文化が展示されている。竹造りの住居や民族舞踊、刺しゅうなどの無形文化遺産を通じ、地域の文化を体験できる。
シーサンパンナ原始森林公園は、保護を前提に観光開発を進めている点も特徴だ。園内ではエコツーリズムや自然体験プログラムが導入されているが、開発は限定的に抑えられており、自然環境への影響を最小限にとどめている。限られた遊歩道の中で熱帯雨林の特徴を体感できる設計となっている。
急速に都市化が進む中、同公園は地域の生態環境を維持する重要な役割も担う。観光と保護を両立させる取り組みは、今後の熱帯地域における持続可能な開発の一例として注目されている。(c)東方新報/AFPBB News