【4月30日 AFP】北欧スウェーデン政府は29日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」や写真・動画共有アプリ「スナップチャット」などのソーシャルメディアプラットフォームに対し、犯罪組織による「殺人依頼広告」を1時間以内に削除することを義務付ける法案を提出と発表した。違反した場合は高額の罰金を科す。

スウェーデンでは、「サービスとしての犯罪」の急増に伴い、犯罪組織がソーシャルメディアを利用して殺人など暴力行為の実行役を勧誘するケースが増えている。

勧誘されるのは、刑事責任年齢の15歳に満たない子どもであるケースが多い。15歳未満は起訴されず、児童相談所の保護下に置かれるため、犯罪組織にとって貴重な駒となっている。

グンナル・ストレンメル法相は記者会見で、「わが国は、組織犯罪による子どもや若者の勧誘を標的としたこの種の法案を導入する(欧州連合で)最初の国となる」と述べた。

スウェーデンのウルフ・クリステション政権は中道右派3党による少数連立政権で、極右政党「スウェーデン民主党」の閣外協力を受けて過半数を確保している。移民と犯罪の取り締まり強化を公約に掲げ、2022年に発足した。9月13日の総選挙を前に公約を果たそうと、さまざまな分野での改革を急ピッチで進めている。

この法案が議会で可決されれば、ソーシャルメディアサイトは7月15日以降、広告を期限内に削除しなかった場合、500万クローナ(約8600万円)以下の罰金を科されることになる。

議会司法委員会に所属するスウェーデン民主党のポントゥス・アンデション・ガルプバル議員は法相と同じ記者会見で、「今日、殺人依頼はTikTok、伊インスタグラム、スナップチャットといったソーシャルメディアプラットフォームに公然と投稿されている」と、述べた。

ガルプバル氏は、犯罪者は「さまざまなデジタルサービス」上で爆破事件や銃撃事件を計画していると指摘。

「こうした重大犯罪に引きずり込まれ、実行役を請け負うのは、多くの場合、犯罪の首謀者、被害者、あるいは犯罪実行予定地とは何の関係もない子どもや若者だ」と述べた。

スウェーデンではここ10年間、主にギャング間の抗争や麻薬市場の縄張り争いをめぐる組織的暴力犯罪が急増している。(c)AFP