オランウータンの樹冠橋利用を初確認、分断された森つなぐ NGO
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【4月27日 AFP】インドネシアの島で、絶滅危惧種のスマトラオランウータンが初めて人工の樹冠橋を渡る姿が撮影されたと、NGOが26日、発表した。
樹冠橋は、保護団体「タンガフ・フタン・カトゥリスティワ」が、英国に拠点を置く慈善団体「スマトラ・オランウータン・ソサエティ(SOS)」および地元当局と提携し、2024年に北スマトラ州に設置した。
遠隔地のコミュニティーにアクセスする道路により熱帯雨林が分断されたため、生物の生息地をつなぐ目的で樹冠橋が5か所に設置されていた。
SOSは26日、AFPに対し、スマトラオランウータンが吊り橋を利用する姿が初めてカメラに捉えられたと述べた。
これまで、テナガザルやカニクイザルなど他の種がこの橋を渡る姿が確認されていたが「スマトラオランウータンが樹冠橋を渡るの初めて」だという。
SOS最高責任者のヘレン・バックランド氏は、オランウータンが樹冠橋を利用したことは「保護活動における大きな節目」だとし、「開発と野生動物が必ずしも対立する必要がないことを示している。時には、最もシンプルな解決策が最も効果的だ」と続けた。
熱帯雨林を分断した道路は、遠隔地のコミュニティーにとっては、社会的・経済的に重要なインフラだ。しかし、それは同時に、約350頭のオランウータンの生息地にも影響を与える。
こうした生息地の断片化について、タンガフ・フタン・カトゥリスティワのエルウィン・アラムシャ・シレガル事務局長は「現代の保護活動における最も大きな課題の一つ」だと指摘し、今後のインフラ整備では、樹冠橋もセットで導入されることを望んでいると述べた。
国際自然保護連合(IUCN)は、スマトラ島に固有のスマトラオランウータンを近絶滅種(CR)に分類している。
スマトラオランウータンの個体数減少については、生息地の喪失と断片化、そして違法な狩猟が原因とされている。
野生のオランウータンは、スマトラ島とボルネオ島にのみ生息している。(c)AFP